五百六話目 「物心ついたっつーか落下地点」 ページ45
『コーヒーどうぞ』
「ん」
ルッチさんの前にブラックコーヒーを置き、自分の所にはミルク多めのカフェオレ。
ブラックなんて寝たくないときに飲むもんだ。好き好んで飲んだりなんてしない。
「いただきます」と手を合わせてご飯をモグモグし始める。
ルッチさんも新聞を一旦置いて、トーストに手を伸ばしてる。
「……お前はどこの生まれだ」
『物心ついたときには海と砂浜だったので』
「そうか」
嘘はついていない。
こっちの世界で最初に見たのは砂浜と海。
もう結構経つなァとかしみじみ思う。
「コーヒーは及第点だ」
『文句は受け付けません』
「褒めている」
『そうっすか』
この人の及第点は高評価という事らしい。
なんだこの人ツンデレなだけですか。そうですか。
「……誰がなんだと？」
『口に出てたんですね分かります』
ギロッと睨んできたルッチさん。無駄を一切排除した流れるような動作で両手を上に。
降参です。白旗です。敵意は全くありません。悪気もありません。
なのでどうかお許しを！！！
「フン……」
どうにか命は助かったらしい。
ホッとしながら朝食を食べる。正直、目の前の人がおっかなくてそれどころじゃないんだけど。
ルッチさんは見た目の通り、案の定上品に朝食を食べている。
いや、カッコつけてるとかではなく……自然に所作が綺麗です。
綺麗って言うより………分かんないな。まあ、とにかくすげえ。
そんな事より、俺には気になっていることがある。ものすごく気になっていることが。
『えっと……一ついいですか？』
「なんだ」
『なんで俺はここでご飯を食べてるんですか？』
「俺がここで食えと言ったからだが？」
『いやそうじゃなくて』
「単なる興味だ。青キジ殿が連れてきた給仕がどういった人間かとな」
『で………どうっすか？』
「………普通だな。いや、とてつもないバカだな」
とっても心外です。
でも相手はルッチさん。ここで目の前にいるのがカクやらジャブラなら「バカじゃねえ！！」とツッコむなりぶっ叩くなりできるが……そんなことをしてしまえば俺が三途の川に片足を突っ込むことになってしまう。それは是非ともお断りしたい。
『……ば、バカなりに頑張ります』
「………」
『あ、終わったようなので下げますね。何か用事があったら電伝虫で呼んでください』
食器をカートに乗せ、ドアへと向かう。
失礼しました、と言って退出。あー、怖かった。
「つまらんな……」
Aが出て行った後、静かにルッチは呟いた。
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淋 - この時をどれ程待ちわびたことか・・(嬉泣ありがとうございます！これからも更新頑張ってください！応援してます！ (2016年11月29日 18時) (
レス) id: 251a646782 (このIDを非表示/違反報告)
桜音羽(おとは)(プロフ) - 更新お疲れ様です！ 結果良いほうだといいですね！ 私も就職内定もらえましたし、大丈夫ですよ！ (2016年11月20日 21時) (レス) id: ff11fad73c (このIDを非表示/違反報告)
狐笛(プロフ) - 更新待ってましたー！！作戦隊長の作品全部好きです！これからも応援してます (2016年11月20日 19時) (レス) id: 5065c368d2 (このIDを非表示/違反報告)
5OG7(プロフ) - 受験お疲れ様です(ヽ´ω`)_旦 続き楽しみにしてます。自分のペースで頑張ってください(o尸ﾞ｀・ω・´)o尸ﾞ (2016年11月20日 19時) (レス) id: c5a0fce0fe (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 次の更新も楽しみだぁ〜♪ (2016年11月20日 10時) (レス) id: e31c017b80 (このIDを非表示/違反報告)
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