組織のNo.2は最推しに瓜２つだった件について４

１９５話、それでも許させる世界 ページ49

誰も気にも止めない──想像しただけで、涙が滲んだ


そんなことが許されるのか──


俯いていたら優しく抱き寄せられた


「──怖がらせてしまってすまない。それでもAには分かって欲しかったんだ」
「……っ、それでも私は山さんを助けます…っ！痛い目に合っても…！」
「………頑固者だなっ」


呆れたように笑われてしまった
痛いのは怖い
怖いけど、友達が傷付くのを黙って見ている方がもっと嫌だ


「私は杏寿郎さんに守られるだけは嫌です！」
「…それは出来ない相談だな」
「うぇ？」
「本来なら若頭である俺の女に手を上げるなんざァ絶対に合ってはならない……そんな餓鬼でも分かる事を守れねェのが…「はいッ！分かりました！分かりましたから少し落ち着きましようかッ！！？」……むぅー！」


高々と宣言したのに１０秒も持たずに拒否され、挙げ句の果てには泣く子も黙る声で言われれば


私の方がチビりそうになったわッ！！！


先程までの恐怖心も若様の前では枝豆も良いほどの可愛さに見えてきた
両頬を掴み必死に説得してみせたが、口をくの字にして可愛らしく唸るこのギャップに気分は複雑だ


「もうこんなことは二度と起こさないよう躾し直す…だからまたアイツらに会ってくれないか？」
「躾って…っ…あんまり酷いことにしないでくださいよ？特に下っ端くん達にはッ！！！普通にまた会いたいからっ！！」
「ふふっ…そうか！そう言えばAの周りで尻尾を振り撒いていたな」
「みんな優しくしてくれたから好きになりました！」
「……ほぅ、」


注意喚起するって普通に言えば良いんじゃないのかな？
てか、誰も命知らずの事はしないとは思うが……
今回の場合は酒の席って理由で気が緩んじゃったんじゃ…っ
なんて、そんなことは通用しない世界でしたね。はい
山さん以外にも今回の交流会？で仲良くなった下っ端くん達には今度は普通に会いたいから手酷いことは止めて欲しい…切実にッ！


若様の折檻(せっかん)って絶対に命懸けな気がしてならないのは私だけではないハズ──ッ！


冷や汗ダラダラな私とは違って目を光らせた杏寿郎さんを私は見逃していたのは知らぬまま──




〜〜♪〜〜♪


「！！」
「……出なくて良いのか？」
「ん？…ムフフッ電話じゃないですよ…これはお知らせアラームです！」
「？」
「ぁ、杏寿郎さんも良ければ一緒に見ますか？」





──不滅の刃ド○○キ鑑賞会。

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