組織のNo.2は最推しに瓜２つだった件について４

１５１話、炙り出し ページ5

「嫌なことを思い出させてしまってすまない…それで、コレは誰が付けた？その女からか？」


無言で首を左右に振った
コレばかりは言えない


「……また黙り、か…爪跡で間違いないな……おい！全員連れてこい」
「──ッ！ぁ…っ」
「ぃやッ！私たち何もしてないわよッ！？」
「しら、…っ知らないッ！」


煉獄さんの一声で、今日呼ばれた彼女たち全員が煉獄さんの前に付き出された
その中には勿論、彩華さんも含まれている
私の肩を抱き寄せ、嫌でも彼女たちに視線を向ける形に体勢を変えられた
当事者以外みんなワケが分からない顔していた
それもそうだ──
誰もこんなことになるなんて想像もしていなかったのだから──


「…この女にやられたのか？」
「ち、ちが…っ！」
「………ふむっ、違うようだな……ならコイツか？」


一人一人…端から順番に指を指して確認していく作業
もう怖さの余り涙が溢れてた
その度に煉獄さんに涙を拭ってもらたが、止めどなく溢れるモノだから意味がない
ジャケットを握り締めて、この炙り出し作業から逃げ出したくなった


「……あと４人…いや３人か、」


ビクッと肩が揺れた
奇跡的と言うべきか、未だに残る優香里さん、手下その１
それから彩華さん──
手下その１に関しては泣き崩れてずっと謝り続けていた
煉獄さんには全く響いてはいなかったが──
チラリと視線を彩華さんに向けた
ほんの一瞬だけ──だったのに…


「……チッ…あいつか、ッ！」
「ぇ、待っ──ッ！！」


私の視線誘導を逃さなかった煉獄さんは止める間もなく凄い勢いで彩華さんの首に掴み掛かった


「…がは…ッ！」
「警告したハズだ──ただでは済まない、っと」
「待っ、て！！煉獄さんダメッ！離し…っ」
「大丈夫だ！…少し話を聞くだけだからな？」


にっこり微笑むいつもと変わらない笑顔のハズなのに
ソレは雑に貼り付けられた作り笑いにしか思えなかった
話を聞くも何も声すら出させてくれないこの状況で何を信じればいいんだ？
彩華さんの足は地面に付くことなく、腕一本で浮かび上がってることに恐怖しない方が無理だった
全力で煉獄さんの腕を掴んで必死に止めて貰うようにお願いしたのに、聞く耳すら叶わない

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