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「まずキルシュさんの桜魔法を私の風魔法で閉じ込めます。そのまま建物内外に運んで一気に放出するんです。
外側の敵は桜魔法で撹乱している間にソリドくんが、内側は私とキルシュさんが人質を離しつつ対応する。
…ざっくりですがこんな感じです」
作戦がざっくりしていることは悪いことではない。
むしろ最初から最後まで綿密に練られると、予想外の出来事があった場合対応が遅れる。
金色の夜明け団が今まで驚くほどのスピードで数々の任務を達成できたのは、対応が早かったからだ。
その成功の背景には、知識豊富なAからの戦略の指導が貢献している。
金色の夜明け団がたった半年で70個もの星を授与されたのも、単に実力だけが反映されているからではない。
Aの作戦を一通り聞いた2人は、数秒置いて口を開いた。
「オレが好きに暴れられんだったら文句はねェよ」
「なかなか美しいじゃないか」
どうやら賛成を得られたようで、Aは魔導書を開いて合図をした。
「キルシュさん、お願いします」
「桜魔法 “魔桜の猛花吹雪〜美しき私の幻を添えて〜”」
「ゲッ」
桜魔法でできたキルシュの幻を見て何とも言えない声をあげるソリドを横目に、Aは風創成魔法でキルシュの桜を全て風の中に閉じ込めた。
「ソリドくん、今から4秒後に閉じ込めていた桜魔法を出すので、そこからビューッと行ってドパァンとしてシャッてやってください」
「人間の言葉で喋れ」
「………」
「キルシュさん？」
「…何でもない」
キルシュが珍しく何も言わないことにAは疑問を持ったが、本人は何でもないと言って視線を外した。
(気のせいか…？)
キルシュが、あのキルシュが難しい顔をしていた。
何を考えているのだろうと気になるが、すぐに視線を戻して魔法を発動する。
キルシュやソリドは、Aといると時折笑顔が消えることがある。
だがそれは決してAが嫌いだからとかではなくて、どちらかというとAに対する気持ちが何なのかがわからないのだ。
ソリドの兄が持っているような恋慕の情ではない。
キルシュの妹が持っているような尊敬・敬意と割り切るのもできない。
もちろん彼らはAに全く気がないと言えば嘘になるし、上級魔道士という肩書はこれまで重ねてきた実績を物語っている。
ただ、わからないのだ。
彼女の笑顔を見るたびに体のどこかから湧き出る、暖かい懐かしさの正体が。
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なな - こちらこそ、ありがとうございます。 (2019年12月1日 20時) (
レス) id: 1a6326dc3e (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - ななさん» 刺激的なお話ですね！書いてみます。ななさんリクエストありがとうございました。 (2019年12月1日 15時) (レス) id: 88d49bbab8 (このIDを非表示/違反報告)
なな - リクエストです。夢主の義理の母が、来て夢主の結婚の話をしているところを、誰かが盗み聞きという話って書けますかね。 (2019年12月1日 13時) (レス) id: 1a6326dc3e (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - 柚さん» 刀と驚きでほぼほぼ確定ですね！そうです鶴じいさんです。柚さんコメントありがとうございました！ (2019年11月16日 23時) (レス) id: 88d49bbab8 (このIDを非表示/違反報告)
柚 - 人生には驚きが必要だ…!まっまさか!鶴さん!?鶴丸国永こと鶴じいなんですか!? (2019年11月16日 23時) (レス) id: 441c37839d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：HANON | 作成日時：2019年9月28日 0時
