嫌悪 ここ。 ページ41
,
そして誰かが廊下を歩く音で目を覚ます。「うるせえな」と文句を言いながら
俺はベッドから上半身を起こす。首辺りまで掛けられていた布団は
重力により腰まで落ちた。その自然現象には目もくれず、俺は拠点から
離れる際に親分に貰った、高価そうな革製の腕時計を見る。その時計の
長針と短針は昼の時間帯を指していた。俺は寝過ぎたか、と軽い反省をすると、
下半身に掛けられた布団を乱暴に退けて急ぎ足で部屋から出る。その拍子、
扉ががっ、と鈍い音を立てた。俺は何事だと扉を閉めて音の出所を探す。
だが扉を閉めれば、出所はすぐに見つかった。扉の裏に居たらしい桃色を
基調とした少年か少女か分からない中性的な者が、額周辺を押さえている。
「いった…気をつけてよ、オバサン!」
中性的な者は俺を睨み付けるようにしてそう言い放つ。その途端に、この家に
面倒な奴が来てしまった、と内心頭を抱えた。俺をそのように高齢者扱いする
失礼極まりない者など居なかった。一番特殊な呼び名で「姐さん」だ。
俺は苛立ちを隠しながら、男性である事を主張するようにテノールまで
声を低くすると、黒い笑顔を見せ、その者の額に人差し指を近付けた。
「オバサンじゃなくてオジサンだ。それと、俺をババアっていうならお前も
オジサンかオバサンだよな、クソガキ君♡」
煽動されっ放しは性に合わない。俺はそう皮肉を込めて言い放つと、後ろで
俺に対する悪口をこちらに向かって必死に叫んでいるそいつには目も向けず、
廊下を歩く。それにしても、あいつに「せめてオジサンと呼べ」と
言ったが為に気がついたが、俺は身の回りの奴に女扱いをされている。俺は
貧弱な印象を与える女として扱われる事が何よりも嫌だ。最悪な例は初だ。
ちゃん付けなんてこちらから願い下げだ。それに別に守り通せなくても良いが、
あいつに吐いた嘘がばれないように偽装するのも兼ねて、と俺は通り過ぎる者
全員に俺の事を男扱いする事を強いた。ちゃん付けは絶対に許さない、と
強く言えば、皆は疑わずに「分かりました」とキャリー君、キャリーに
呼び方を変えてくれた。俺はそれに感謝しながら、キッチンに向かい
何か食べようと冷蔵庫を開ける。そこにはいくつかの食材、簡易的な
すぐに食べられるプリンなどのデザートが並べられていた。俺はプリンを
根こそぎ取ると、数十個のプリンをリビングの机で開封し、口に放った。
カッコイイ系が好みです? サワー→←出会った。 月島 亜雲麻
3人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鈴ちゃん♪(プロフ) - そうでしたか、無礼なコメント、申しわけございませんでした! (2019年10月7日 18時) (レス) id: e69227227d (このIDを非表示/違反報告)
サワー(プロフ) - 鈴ちゃん♪さん» 更新しますよ!ですが私は少し忙しいので遅れます……! (2019年10月7日 7時) (レス) id: 59631e9c92 (このIDを非表示/違反報告)
鈴ちゃん♪(プロフ) - 皆さまに質問です。続編が出ましたが更新はもうしないのですか? (2019年10月7日 3時) (レス) id: e69227227d (このIDを非表示/違反報告)
ここ。(プロフ) - 更新しました!報告忘れていてすみません。フォントもベーシックに戻しました! (2019年9月28日 22時) (レス) id: 8956dbb137 (このIDを非表示/違反報告)
ここ。(プロフ) - 更新しますね! (2019年9月28日 11時) (レス) id: 8956dbb137 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ