やっぱり 水無月カエデ ページ18
食事も終わり、みんなで後片付けをし、
みんなはまた各々の部屋に戻っていった。
だが、わたしにはまだ懸念がある。
伊織だ。
多分彼、今部屋で研究に没頭してる。
ご飯少し残ってるから、それ持ってってあげよう。
=<=<=<=<=<=<=<=
「伊織ー?入るよ?」
彼は極度の人見知りなので、
決められたノックの回数がないと基本的にドアを開けない。
私は、3.2.3.1.2と頭の中で数えながら、ノックをした。
………あれ?可笑しいな。
いつもなら、このノックがあるとすぐに応答してくれるのに。
…………まさか。
悪い予感がした私は、
心の中でごめんねと呟きながら、
大きくドアを開けた。
其処には、見慣れた光景があった。
伊織が、部屋の中心にぶっ倒れていた。
<=<=<=<>=>=>=>=
「…………ごめんね。ご飯食べるの忘れてて。」
篝はぷくっと顔を膨らませた。
「もー。伊織の部屋カレンダーとか、
時計とかないの?」
伊織は頭をかいた。
「ごめんごめん。こっちに来てから、生活用品買い揃える暇が無くて……」
「しょうがないなあ。私の部屋にカレンダー二つあるから、それあげる。
あと約束。2日に一回、
いや3日に一回でいいから下に降りてきて。
みんないい人ばっかりだから、大丈夫。」
伊織はオロオロした。
「………で、でもさ」 「私もついてくから。」
「…………わ、わかった。………ねえ。」
「なに?」
伊織は篝の�茲に手を触れた。
「今ってさ、結構遅い時間だよね」
「あぁ。もう8時くらいだね。」
伊織は、勇気を出してこう言った。
「そんな時間にさ、
男の部屋に入って、何されてもおかしくないって
思わないの?」
篝はそれを聞いて、浮かんだ単純な疑問をぶつけた。
「…………ん、じゃあ伊織は何をするの?」
伊織は、予想外の質問に固まった。
「(え?なんで?篝、あれのこと知らないの?
知らない訳無いよね?仮にももう成人女性だし、………あ、ハニトラ系の依頼来たことなかったっけ)」
伊織は力なくぼやいた。
「………………………なんでもない。
ご飯ありがとう。美味しかったよ。」
篝は「そう。嬉しい!」と言うと、皿やグラスを持って、部屋を出ていった。
パタン、とドアが閉まる。
伊織はベッドに倒れこんだ。
「もう………篝って奴は………」
今度、惚れ薬でも盛ってやろうと、
かなり物騒な事を大真面目に考えていたのだった。
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鈴ちゃん♪(プロフ) - そうでしたか、無礼なコメント、申しわけございませんでした! (2019年10月7日 18時) (レス) id: e69227227d (このIDを非表示/違反報告)
サワー(プロフ) - 鈴ちゃん♪さん» 更新しますよ!ですが私は少し忙しいので遅れます……! (2019年10月7日 7時) (レス) id: 59631e9c92 (このIDを非表示/違反報告)
鈴ちゃん♪(プロフ) - 皆さまに質問です。続編が出ましたが更新はもうしないのですか? (2019年10月7日 3時) (レス) id: e69227227d (このIDを非表示/違反報告)
ここ。(プロフ) - 更新しました!報告忘れていてすみません。フォントもベーシックに戻しました! (2019年9月28日 22時) (レス) id: 8956dbb137 (このIDを非表示/違反報告)
ここ。(プロフ) - 更新しますね! (2019年9月28日 11時) (レス) id: 8956dbb137 (このIDを非表示/違反報告)
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