作者達が迷い込む町 ４【小説】

良くない事と新たな出会い　三日月桜 ページ46

屋敷の図書室に籠もり続ける。
私は特務司書の仕事中に聴こえない筈の声が聞こえた。

『何故？ "組織"を裏切った？』

私は両耳を手に塞った。

『そっか、こうしてやりたいが』

視えない手が仕事用の紙刀を持った。
耳を塞いた左手は金縛り掛った様に動く。
視えない手が紙刀を左手の甲と腕を何回刺した。
流れ出す血は机と床が朱く染まる。

『ソラ、今度は無い』

幻聴は収まった。
私は血塗れの左腕を直ぐに回復魔法を掛けた。

「『創造と再現・白魔法』ケアルガ」

図書室から自室に戻り。
仕事部屋の本棚に救急箱を出す。
ソファーに座り、患部はガーゼに当てをテープに貼る。
ガーゼの上に包帯を巻く。

自室を出て、フラフラ状態で廊下を歩く。
誰かとぶつかる。

「すいません」

―――
誰かとぶつかった人をお願いします。
現在の状態は左腕に包帯を巻いてると貧血に起きる状態。

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