28話 ページ29
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「起きろA」
ゆらゆらと肩を揺すられて目を覚ます
ぼんやりとした視界に朧けながらミルコさんの姿を表す
眠い目を擦って起き上がると窓の外はすっかり暗くなっている
かなり長い時間寝てしまったようだ
「華井から聞いた お前疲れてるだろ」
「疲れてるのはいつものことです」
私の額に手を当てて熱があるか確認するミルコさんは柄にもなく心配しているように見えた
その手にも指輪が光っていて本当に結婚してしまうんだなぁと思った
彼女には左腕がない
敵との最終決戦で私が守りきれなくてハイエンドに千切られてしまったから
それを償いたくてヒーローになった
ミルコさんを追ってヒーローになったのにいなくなってしまう
結局彼女を守るのは私じゃない
そう思うと目頭が熱くなってきた
「…やめないでください
ミルコさんがいないならやりたくないです
事務所なんて受け継げません
＿＿＿＿＿＿＿＿ いなくならないで」
すがりつくようにミルコに抱きつく
なんで私の大切な人は私の前から姿を消してしまうのだろう
死んでしまっていても生きていてもそばにいてくれなきゃ意味が無い
ミルコさんがいなかったら今の私はいない
咲乃だって私じゃなくてミルコさんに救われたようなものだ
ミルコさんを取られたくない
「＿＿＿＿＿＿＿それは無理だ
左腕がないのが致命傷だったし引退は前から考えていた
それにAはもう1人でも大丈夫だろ
いつまでも地団駄踏んでいるな」
右手で私の頭を撫でるミルコさんの口調はいつもより優しくて余計涙が溢れる
だめなんだ
もう私のお願いは聞いてくれないんだ
…彼女の隣は私の場所だったのに
「A 事務所で寝泊まりするのやめろ
ちゃんとマンションでもアパートでも借りてそこで生活しろ
自分から世界を狭くするんじゃねぇ」
「…分かりました」
私が家を持たなかった理由は面倒臭いからだけじゃない
私は｢家｣が嫌いだからだ
物心ついた時には｢家｣には私しかいなかった
帰っても誰もいないところで安心できるはずがないだろう
事務所にいればミルコさんが残っている
だから事務所にずっと寝泊まりしていただけ
そのミルコさんさえもいなくなってしまうのであれば事務所に寝泊まりし続ける意味が無い
「疲れてるなら休暇を入れろ
それくらい休んだって誰も怒らねぇよ」
「… はい」
私を撫でるのをやめて自身の鞄を肩にかけたミルコさんは私を置いて帰ってしまった
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犬井(プロフ) - 臨時教師…この展開私の好物です((やめろ これからも、まったりでいいのでマイペースに更新頑張ってください(´･ー･`)ﾌﾌﾝ (2020年3月5日 12時) (
レス) id: a30ea6f0a7 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - めっちゃくちゃ面白いです これからも、頑張って続けて下さい 応援しています(#^.^#) (2020年3月3日 16時) (レス) id: 1fbc4252fc (このIDを非表示/違反報告)
(´???｀) ぬん(プロフ) - 心の底から言います.......爆豪とくっついて.....あっこの作品大好きです (2020年3月1日 23時) (レス) id: 3a7d3d0190 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 永久さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2020年3月1日 13時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - Leoさん» 前作から引き続きご愛読していただきありがとうございます！彼女の思いが伝わったようで嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2020年3月1日 13時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばぐ
| 作成日時：2020年2月26日 19時
