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132話 ページ33

轟side




この火傷の理由も俺の個性のことも母親のことも全部話した

相変わらず月躬弖は俺を見ることもせずにただテレビを見つめている



「どれくらいの頻度で会ってるの?」

「月に一度くらいだ」

「会話はしてる?」

「してない」



月躬弖が見つめるニュースは話題を変えてオールマイトの特集に移った

数ヶ月前まで平和の象徴として社会を守り続けていた英雄

普通はこの話題に食いつくはずなのに月躬弖は興味がなくなったようでチャンネルを変えた



「私 エンデヴァーさん好きだよ」



俺が親父から受けた仕打ちを全て話したというにも関わらず月躬弖は言った

俺の気持ちが理解してもらえなかったように思えて無性に腹が立った



「俺はアイツを認めない」



月躬弖は悪くないと分かっている

だけど親父の味方をするような発言が癪に触ったのは事実だ



「お前はなんでヒーロー目指してんだ?」



さっき聞かれたことをそのまま聞き返した

月躬弖がヒーローを目指している理由が気になったわけじゃない

ただ話の流れで聞いただけだった



「分かんない」



帰ってきた返答は予想外のものだった

月躬弖は考えてないようでいつも考えている

頭脳戦が苦手と言う割に計画的に行動するのが上手かったりして要するに賢い

物事の原理を理解してるタイプの人間だ

そんな月躬弖から「分からない」と言う回答が返ってくると思わなかった



「なんで私ヒーローになりたいんだろう」



月躬弖は不思議そうに傷だらけの手を天井にかざした

その仕草はまるで何かを掴みたがっているかのように見える



「私は私じゃない誰かになりたいんだと思う

ここじゃない何処かに行きたいんだと思う」



よく聞くフレーズだった

自分じゃない自分だとか違う世界だとか

だけどそんなものは存在しない

月躬弖も分かっているんだと思う

だからこんな諦めた目をしているんだろう




気が付けば時計の針はAM2:00を指している

月躬弖との会話も途絶えたから俺は部屋に戻ることにした

歩きだそうとした時 軽く引っ張られる感覚がして振り返ると月躬弖が俺のシャツをつかんでいた



「居ない英雄の後ろ姿ばかり見てると大切な人も見えなくなっちゃうよ」



何を伝えたいのか正直分からなかった

月躬弖は俺の様子を見て理解できなかったということを察しているようだった

困ったように笑った月躬弖は「おやすみ」と言って俺に手を振った後再び視線をテレビに戻した

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三毛猫 - 轟くん相変わらずイケメン(^^)頑張ってください (2月22日 13時) (レス) id: 717af831f6 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 大好きな作品です。更新これからも待っています。頑張って下さい! (2月22日 11時) (レス) id: c612da49fe (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すごい、面白い。やばい。頑張って下さい。 (2月22日 5時) (レス) id: 199549db1c (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 廃人さん» 聞いてみました!本当に似ていて驚きました笑 今後の展開と一部被ってたりもして…汗 (2月21日 19時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 三毛猫さん» 重ね重ねありがとうございます! (2月21日 19時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ばぐ | 作成日時:2020年2月16日 21時

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