123話 ページ24
緑谷side
世界が止まったかのように思えた
月躬弖さんの周りだけ時間は進んでいて僕達は止まっている
そんなふうに感じてしまうほど月躬弖さんの歌声は透き通っていた
観客はおろか僕達も皆驚いている
そんな彼女の歌声に聞き慣れているバンドチームはラスサビに突入しようとしている
僕達が動揺しているのに気付いて少し長めにパートを伸ばしてくれている
皆もハッとしてパフォーマンスに戻る
「サビだ！！ここで全員！！！
＿＿＿＿＿＿＿＿ぶっ殺せ！！！！！」
かっちゃんの声が響いて鳥肌が走る
バンドチームによるハイレベルな演奏と固定を用いた突発したパフォーマンスに熱狂する観客
会場の空気は最高潮だ…！！
観客全員が僕達の演奏に吸い込まれている
ダンスチーム 演出チームのパフォーマンスも然るながらバンドチームがとにかく爆発している
とくにかっちゃんのドラムと月躬弖さんのキーボードの殴り合いが激しすぎる
なのに不思議とリズムもテンポもお互い合わせているかのようにピッタリでむしろ聞き入ってしまう
僕達は全力で文化祭を駆け巡った
.
そして僕達の演奏は幕を閉じた
一瞬の事だったように思える
あっという間に僕達は全てを出し切った
「ははっ…あははははっ…！」
皆息を切らして肩で呼吸をしていると月躬弖さんの笑い声が響いた
「アレンジ効かせすぎて原曲の要素ほとんどなくなってたじゃん！」
「てめえが初っ端から煽ってきたんだろ！」
かっちゃんを見て月躬弖さんは｢ヒィー｣と悲鳴をあげながらお腹を抱えて笑っている
それにつられて皆も笑ってしまう
その時 僕は思った
月躬弖さんの笑顔は彼女のものだと
ご両親の真似をして作った笑顔じゃない
「月躬弖さん」の笑顔なんだ
「笑った… 月躬弖さん笑えてるよ！」
僕は思わず月躬弖さんの手を取ってしまった
すると月躬弖さんも自分の笑顔に気付いたようで自分の頬をぺたぺたと触る
皆も驚いたように月躬弖さんを見る
「私 笑えてた？」
震えた声で僕達を見る月躬弖さんに皆が凄い勢いで抱きついた
もちろん僕もその一人である
20人が一気に抱きつきに行ったものだから月躬弖さんは抱えきれなくてステージに背中を思い切り打ち付けた
ゴンと鈍い音がしたけど月躬弖さんはまた嬉しそうに笑った
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三毛猫 - 轟くん相変わらずイケメン(^^)頑張ってください (2020年2月22日 13時) (
レス) id: 717af831f6 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 大好きな作品です。更新これからも待っています。頑張って下さい！ (2020年2月22日 11時) (レス) id: c612da49fe (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - すごい、面白い。やばい。頑張って下さい。 (2020年2月22日 5時) (レス) id: 199549db1c (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 廃人さん» 聞いてみました！本当に似ていて驚きました笑 今後の展開と一部被ってたりもして…汗 (2020年2月21日 19時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 三毛猫さん» 重ね重ねありがとうございます！ (2020年2月21日 19時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばぐ
| 作成日時：2020年2月16日 21時
