60話 ページ11
.
＿＿＿＿＿＿＿＿ 8時間30分後
「…合宿なんて楽しくない」
あんなにルンルンで荷物を詰めていた昨日の私に伝えてあげたい
せめてスニーカー履いていけ…と
「月躬弖がいなかったら俺あと4回は死んでたと思う」
「…何その微妙な数字」
たくさんの足跡が地面に付いているから恐らく私と上鳴くんを除く皆は到着しているようだ
「月躬弖 居てよかった〜！」
ただでさえ疲れているというのに上鳴くんが抱きついてくるものだから疲労が募る一方である
なぜ私がこんな目にあっているのか
「上鳴くんのせいだからね」
「本当にごめんって〜！」
ショートした私を担いで走ってくれたことには感謝している
けれど彼は途中で個性を使いすぎてしまって伝説の｢ウェーイ状態｣になってしまった
そのせいで立場は逆転し 私が上鳴くんを引きずりながら戦わなければならなくなってしまったのだ
そんな圧倒的不利な私に気付いてくれるほど余裕がある人はいなくて見事に置いていかれてしまった
.
施設に到着すると皆は既に着替えていて夕ご飯の準備を手伝っているようでボロボロの私たちを見て苦笑した
「ごめんねAちゃん気付けなくて！」
「大丈夫だよ ありがとう」
お茶子ちゃんが私の元に駆けつけて顔に付いた泥をタオルで取ってくれた
せっかくの綺麗なタオルが勿体ない
上鳴くんは｢俺も拭いて｣とお茶子ちゃんにお願いしているけど これ以上お茶子ちゃんのタオルが汚くなるのは申し訳ないのでズルズルと引っ張って水道の蛇口まで連れていった
「月躬弖！？優しく扱って！？！？」
「分かった」
「分かってないよね！？ねぇ！！」
上鳴くんはうるさいので放っておいて私も着替えることにした
後ろで上鳴くんの泣き声が聞こえたけど聞こえないフリをして施設の中に入った
.
着替えを済ませると夕ご飯の準備が丁度整ったようで机に美味しそうなご飯が並んでいた
私は動いた分食べないと生きていけないタイプの人間なのでこんなにたくさん美味しそうなご飯を見て大興奮だ
切島くんが｢月躬弖こっちー！｣と私のために空けておいてくれた席を教えてくれた
ちょっと女子と離れちゃったけど話すのに大変な距離じゃないからいいや
｢｢｢｢ いただきます！！ ｣｣｣｣
飯田くんの合図で合掌した
あまりの美味しさに驚いてしまう
元から美味しいということもあるのだろうけど空腹という最高の調味料のおかげでもあると思う
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 534人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ここね(プロフ) - めっちゃよくできてる話ですね！すごく感動するし、夢主ちゃん強くて好きです！笑 (2020年2月24日 1時) (
レス) id: 43fbbe1d59 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 黒武さん» すっかり忘れていました汗 ありがとうございます！頑張ります！ (2020年2月16日 16時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
黒武(プロフ) - 続編あったのですね！前作とリンクは繋げないのですかっ サクサクと読めつつ主ちゃんの活躍が多いのが良いです！更新頑張ってください！ (2020年2月16日 15時) (レス) id: 6a52012404 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - まんとひひ。さん» ありがとうございます！ (2020年2月16日 10時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
まんとひひ。(プロフ) - ばぐさん» いえいえ！応援しております！ (2020年2月16日 10時) (レス) id: 102958615f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ばぐ
| 作成日時：2020年2月12日 21時
