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葛波が弓矢を放った

軌道は半円を描き呪霊の攻撃を弾き返すもまた次の攻撃がやってくる

ずっとこれの繰り返しでキリがない

葛波の矢も先程の攻撃で使い切ってしまった


加茂の攻撃も威力を増しているがこれと言ったダメージは与えられない

狗巻も既に呪言を使っているためそろそろ限界が近いだろう

葛波は痺れすぎて感覚が遠くなってきた右腕を撫でながら考えた

自分にはあれ(・・)が残っている




「伏黒」

「なんだ?」

「ちょっと先行ってて」

「…何するつもりだ」




怪訝そうな表情を浮かべる伏黒

「大丈夫だから任せてよ」と少しだけ笑って葛波は答えた

そんな言葉が出てくると思っていなかった

真剣な目をする葛波に伏黒も覚悟を決めた




「絶対死ぬなよ」

「うん 頑張る」




一体何をするのか分からないが加茂と狗巻も異論はないようだ

葛波は足を止めると大量の呪符を構えて呪霊の正面に立った

3人が固唾を呑む中葛波は口を開いた

祓詞が鈴のような声に乗って響く

(かしこ)(かしこ)(もう)す」と祓詞の最後のフレーズが聞こえた時加茂は気付いた




「まさかっ…!A!やめろ!!」

「どうしたんですか」

「これは葛波家の奥義だ!Aは奥義を展開しようとしているんだ!」

「…それって」




最悪な想像が3人の頭を過ぎる

「最悪の場合死ぬぞ」と加茂の言葉でより現実味を増してしまった

そんな3人の頬を冷たい空気が撫でた

この感覚を伏黒は知っている

あの時は奥義が完全に展開される前に狗巻とパンダが現れたからよかったが今は違う


もう奥義は完成してしまった

多量の呪符がひとつに燃え盛り姿を変えて恐ろしい顔をした鬼が現れた

その鬼は葛波を守るように彼女の背後に大きく立ち上がった




「____()えろ 天邪鬼(あまのじゃく)




葛波が呪霊を指差しそう言うと耳を劈くような吼声が響いた

思わず3人は耳を塞いで蹲った


奥義 観音闢符法(かんのんへきふほう)

葛波家が契約使役している鬼を召喚する奥義

攻撃力も使役する鬼も術師によって異なるため未知数

召喚が完了した鬼は術師にしか従わないため術師が死亡すると暴れ回る

凶暴化した鬼は特級呪霊に匹敵する





「3分稼ぐから逃げて」





葛波の言葉を聞いて3人は駆け出した

ここに自分たちが残っていても意味が無い

伏黒は不安を抱きながらもその場を去った

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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟 , 伏黒恵
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raru58063503(プロフ) - このお話大好きで何回も読み返してます!! (2022年10月8日 23時) (レス) @page36 id: 95468c547b (このIDを非表示/違反報告)
ふーか(プロフ) - 伏黒とどうなっていくのか楽しみです!!引き込まれるようなお話でワクワクしました! (2022年2月6日 6時) (レス) id: 638dc06db7 (このIDを非表示/違反報告)
無量クーポン - ヤベェくそおもろい← (2022年1月20日 19時) (レス) @page17 id: f5549b5e83 (このIDを非表示/違反報告)
Sol(プロフ) - 何回も一気読みしました!!お話の続き楽しみにしてます (2022年1月8日 16時) (レス) @page35 id: 11f64c7a6d (このIDを非表示/違反報告)
小春日和 - この作品とても面白くて好きです。葛波ちゃんの誕生日がまさかの私と一緒で笑っちゃいました。 (2022年1月4日 11時) (レス) id: f0a1c41359 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ばぐ | 作成日時:2020年12月27日 17時

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