君のため４【ワールドトリガー】

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スコア6-4の文字が空中に浮かぶ

トリオン体だから疲れないけれど優雅と勝負すると精神的に疲れる

体制を持ち直す余裕を与えてくれないのだ

｢うがぁぁ｣と可愛げのない声を漏らしながら私は床に寝転がった

ゴンッと後頭部を打った 痛くないけど痛い



｢負けたぁー…｣

｢よっしゃ！勝ったー！！
出水と二宮さんに自慢しよ！｣

｢二宮さんはやめてぇー…｣




一発ギャグするのか…？私が…？

そういうキャラじゃないんだけどなぁ

ピコピコと携帯をいじってメールを送る優雅

…こいつ二宮さんにも連絡しやがった


普段の優等生クールキャラは何処へやら

私に勝てたことが相当嬉しかったようで優雅は大騒ぎしている

日に日に私と優雅の実力差は無くなっていた

負けるのは時間の問題だと思っていたがまさか今日負けてしまうとは思っていなかった




｢はいA 一発ギャグね｣

｢うぇー…やるしかないか…｣




携帯のカメラをこちらに向けてくる優雅

コイツ録画するつもりだ

悔しいけど負けたから何も言えない

きっとマイさんと彼方さんも見てる

こうなったら腹を括るしかない




｢二宮さんの物真似しまーす｣

｢お前よりによって二宮さんかよ！｣




生憎タイトスカートにポケットはついていないからロングジャケットに手を突っ込んだ

両トリガーを起動してキューブを出す

それから普段なら絶対にしない三角錐状に分割して宙に浮かべた




｢通常弾(アステロイド)｣




二宮さんの声真似をしてキメ顔をする

数秒の沈黙の後 優雅の笑い声が響いた

渾身の一発ギャグは成功だったようだ




｢やばい！それはやばい！｣

｢語彙力低下してるやーん｣

｢二宮さんに見せよ！｣

｢いやだからやめて！？｣




お腹を抱えて笑い転ける優雅を蹴りつけた

｢いたーい｣だなんて思ってもいないことを言う優雅はツボにハマったようだ




｢マイさーん戻してー見てるんでしょー｣

｢ちょ…俺置いていかないで｣




先に戻ろうとしたら冷静になった優雅は目尻に溜まった涙を拭いながら立ち上がった

キュインッと音が響いて目を開けると隊室に戻っていた


予想通り彼方さんとマイさんも爆笑している

こんな笑えるんだってくらい笑っている

優雅に負けたのは不服だが皆がここまで笑ってくれるならたまにはいいかとも思った

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