検索窓
今日:18 hit、昨日:29 hit、合計:707,929 hit

ページ14






「一目見た時から分かってた。ああ、こいつは退屈だと。でも、人を見た目で判断しちゃいけないよな。…だからわざわざ質問したのに」



俺の優しさを踏みにじった、と。溢れる涙を拭いながら、確かに東堂はそういった。



「…もしかして、頭の中身までパイナップルなのか?」



そんなことを言いながらも、恵の脳内では別のことが考えられている。


去年起こった呪詛師・夏油による呪術テロ、「新宿・京都百鬼夜行」。
京都に現れた1級呪霊5体、特級呪霊1体を1人で祓ったという、あの(・・)東堂。


特級呪霊に勝る1級術師自体が珍しいわけではない。驚くべきは、別のところ。



「あんた、術式使わないんだってな」


「ん?ああ、あの噂はガセだ。特級相手には使ったぞ」



=1級には使っていない。シンプルに言って化け物だ。
それでも恵は臆することなどない。



「安心したよ!」



そう言って、恵は手を複雑に組み始めた。



「鵺、プラス蝦蟇」



たちまち地面__影から数匹のカエルが出てくる。

恵が構えたのを何気ないように東堂が見つめたと思えば、



「薄っぺらいんだよ」



次の瞬間には、すでに東堂に体をホールドされていた。



「体も、女の好みも…!」



地面に打ち付けられて、間一髪飛びのいたと思ったら顔面を殴られて。顔面を掴まれて、建物をそのまま突き抜ける。

上空に投げ出され、さらに顔面を殴られようとしたその時、急に東堂の拳が止まる。

先ほど呼び出し、地上にいた蛙たちの舌が彼の腕を絡め取っていたのだ。

しかしそんなもので止まる東堂な訳がない。地上に降り立ち、すぐさま舌を破って自身の体を自由にする。



「やる気がまるで感じられん」

「…下手に出てりゃ、偉そうに…そこまで言うなら、やってやるよ」



そうして大きく開かれた恵の目に、東堂は満足そうに笑う。今までの物は生ぬるいと思える、そんな覇気が感じられたのだ。



「…来い!!!」



しかし次の瞬間、殴りかかろうとした彼の体は急停止することになる。


《動くな》








.→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (346 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1519人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

れもん - 好きです!(ゑ)更新待ってます!! (2021年4月23日 18時) (レス) id: 46613accf8 (このIDを非表示/違反報告)
なんなん(プロフ) - もち米の化身さん» すごく嬉しいですありがとうございます> <!飽きてなかったですか、よかったです笑  (2021年3月22日 23時) (レス) id: c1887ad742 (このIDを非表示/違反報告)
もち米の化身 - 面白いですね!あと、飽きませんよ! (2021年3月21日 23時) (レス) id: 356bd7e73b (このIDを非表示/違反報告)
なんなん(プロフ) - ムスメ3さん» 世界がガッツリ!ってわけではないです!呪文、出身校、家柄、両親の仕事ぐらいですかね。わかりづらかったらごめんなさい泣 (2021年2月14日 21時) (レス) id: c1887ad742 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - 初めましてこんばんはもしかしてハリ〇タの要素あり的な感じですか? (2021年2月14日 21時) (レス) id: 43c62374c1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:なんなん | 作成日時:2021年2月6日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。