弟子に ページ13
煉獄さんは強くて、面倒見がよくて、とても優しい人だ。
それは会話や表情から染々と伝わってくる。
明るくて、真っ直ぐで……けれど私は、そんな煉獄さんの思考までは読み取ることができない。
『どうして……何故煉獄さんは、そんなにも私に得がある条件を提示してくださるんですか？ 私を弟子にすれば、煉獄さんの鍛練や休息時間を削ることになります。煉獄さんに利があるようには、とても考えられませんが……』
「ふむ……」
煉獄さんは考えるように顎に手を当てる。
しばらくの沈黙が続いた後、煉獄さんは神妙な顔つきで答えた。
「感覚的な話になってしまうが、俺は君の炎から、何か惹かれるものを感じた。君を炎の呼吸の使い手だと勘違いしていたのは事実だが、君の炎は、何処か俺の炎とは異なっていた。
君の炎は吹けば消えてしまいそうな灯火だが、磨けば柱に並ぶほどの美しい猛炎になるだろう。
君が強い信念を持ち、先を目指そうとする心構えがあるのなら、俺はその手助けがしたい！」
私の灯火が、猛炎に……。
無意識に自分の胸元に手を寄せ、ギュッと浴衣の生地を握り締める。
強くなれば、きっとたくさんの人達を守れる。
昨夜の任務では一人しか救えなかったが、私にもっと実力があれば、攫われた人達全員を救えたかもしれない。
＿＿強くなりたい。
もう、後悔なんてしたくない。
煉獄さんが贔屓目なく、私の可能性を見い出し、手を差し伸ばしてくれるのなら……。
『……なりたいです。私、煉獄さんの弟子になりたいです！ よろしくお願いします！』
私は、それに縋ってみたい。
少しでも、自分の中の可能性を信じてみたい。
「うむ！ いい返事だ！」
肩の傷が完治した後、煉獄さんの稽古と鬼狩りの任務を両立した生活が始まった。
弟子の間は煉獄家に滞在することになり、元炎柱であり煉獄さんの実親である槇寿郎さんに挨拶に言ったのだが、「勝手にしろ」「俺の部屋に入るな」の二言で追い出されてしまった。
煉獄さんは「気にしなくていい」と言ってくれたが、やはり少しだけ気が滅入ってしまう。
……それ以上に、余計なお世話かもしれないが、煉獄さんと千寿��くんの、二人の心中を心配してしまった。
わざわざ、それを口に出して言いはしないけれど。
いつか、煉獄家の溝が無くなる日が来てほしいと、切に願った。
「それでは、今日の稽古を始めるぞ！ 蛍原少女！」
『はい！ よろしくお願いします。師匠！』
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紅いちご - 続編ですか！！楽しみに待ってますね！ (2021年11月6日 22時) (
レス) @page41 id: 0ffbfabdee (このIDを非表示/違反報告)
むつき。(プロフ) - 続編おめでとうございます！これからも頑張ってください(๑•̀ㅂ•́)و✧ (2021年11月6日 5時) (レス) @page41 id: 6b2570d7e2 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉いろは(プロフ) - むつき。さん» コメントありがとうございます！ 本編でもこの二人の関係性はしんどいので、今後どう夢主ちゃんと絡ませていこうか悩んでいます(苦笑)無限列車が近づいてきて精神が削られていますが、更新頑張っていこうと思います！ (2021年11月4日 22時) (レス) id: cba06c9064 (このIDを非表示/違反報告)
むつき。(プロフ) - 冨岡さんと錆兎さんのシーンにめちゃめちゃぐっと来ました（語彙力）更新頑張ってください！ (2021年11月3日 18時) (レス) @page38 id: da60582d52 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉いろは(プロフ) - 匿名希望さん» ご指摘ありがとうございます！ 本当ですね！ 全然気がつきませんでした……ありがとうございます！ (2021年10月22日 22時) (レス) @page29 id: cba06c9064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉いろは | 作成日時：2021年9月22日 15時
