時間と命 ページ6
狐面の青年は、倒れ込む紫髪の少女を正面から抱き止める。
そして小さく寝息を立てる彼女を一瞥し、彼女の頭を優しく撫でおろした。
「珍しいね。錆兎がそこまで気にかけるなんて」
二人とはまた別の、可愛らしい声が辺りに響く。
狐面の青年が首だけを動かして振り返ると、そこには牡丹色の着物を見に纏った小柄な少女が立っていた。
少女の顔の横には、青い花の模様が彫られた狐面がつけてある。
「……いいの？ 彼女は、私達とは時間の流れが違うんだよ。こんなことしたら、彼女の時間が止まっちゃう」
「今のこいつは、最終選別で生き残ることはできない。�爛▲ぅ牒瓩叛錣α阿暴�わるだろう。……大丈夫。時間は無限だが、命は有限。こいつがこれ以上孤独になることはない。そして、あの人も＿＿」
彼らの周囲を包む霧が濃くなっていく。
やがて霧は彼らの姿を完全に眩ませ、霧が晴れた頃には、
＿＿二つに折れた日輪刀が、地面に虚しく転がっていた。
なんで……なんで、こんなことになっちゃったんだろう。
鬼を見るのは、これで二回目だった。
始めて見たのは、私と同じように身寄りのない子供たちが集まって、お寺で衣食住を共にしていた頃。
ある夜、突然鬼がお寺の中に入り込んできて、次々とみんなの命を奪っていった。
私は私よりも幼い沙代と、先生の背中に隠れることしかできなくて。
先生は命がけで鬼を倒してくれたのに、鬼はその場で灰になって、先生は殺人の罪で投獄された。
私は必死に先生の無罪を訴えたけど、恐怖で混乱してるだけだと片付けられてしまって。
お寺を後にした私は、しばらくの間、医者の家に預けられた。
だけど、医者は私が身寄りのない無一文の子供だと知った途端、私を家から追い出して……
放浪していた私を助けてくれたのが、貧しい老夫婦だった。
それからの日々は、安直な表現だけど、凄く幸せだった。
決して贅沢な暮らしではなかったけど、おじさんもおばさんも、私を実の子のように可愛がってくれて。
でもやっぱり、幸せな時間は長くは続かなくて。
＿＿鬼化したおじさんが、おばさんを食い殺した。
私は先生みたいに強くない。
筋力も、勇気も、何もかもが足りなかった。
私は、おじさんから決死の思いで逃げることしかできなくて。
気がつけば長い夜は明けていて、此処……狭霧山に辿り着いていた。
「儂は鱗滝左近次。鬼殺隊に入隊する剣士を育てる�牋藜雖瓩澄９圓�宛がないのなら、儂の家に来るといい」
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紅葉いろは(プロフ) - 人見さん» コメントありがとうございます(*´∀｀*)初めての小説でいろいろ不安だったので、プラス寄りの感想が貰えて嬉しいです！更新頑張ります！ (2021年8月14日 20時) (
レス) id: cba06c9064 (このIDを非表示/違反報告)
人見(プロフ) - 面白かったです！眠っていた、という設定がすごく斬新で面白いです！ここからどういう展開になるのか楽しみです！更新頑張ってください！応援してます！ (2021年8月14日 18時) (レス) id: 0469953c81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉いろは | 作成日時：2021年8月14日 10時
