【ONEPIECE】鎧を纏う2【男主】 (ページ27)

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[エースside]

着替えを貰ってAが船から去り、早速着替えようと袖を通せば、ふんわりといい匂いがして、思いっきり匂いを嗅いだ。どこかで嗅いだことのある安心感のある匂いだ。…なーんて思っていたらAの着替えだったらしく、先程の自分の行動を思い出して少し赤面しそうになる。

…随分不思議なこともあるもんだ。
俺が生きてるのもそうだが、Aの容姿なんかもそうだ。身長だって幾分か伸びているし、髪型も違う。それに少し体格もがっしりしたように見える。そのせいで雰囲気がガラッと変わっている。

「ねぇねぇ、あそこのお店で服を買おうよ。」

こっそりと話をかけるAはきっと、外だから俺の名前を呼べないから。とねぇねぇと俺の服の袖を引くのだろう。
…雰囲気は少し変わったが、根本的には変わっていない。

「あ、この服！エー………君に似合いそうッスよ！」

『…っはは！あぁ。いいなそれ！』

Aに勧められた服や、自分でいいなと思った服などを購入する。もちろん俺は無一文なので、全てAが払ってくれた訳だが。

俺の隣を歩きながら談笑をするA。
Aも海軍として名を挙げているため、民間人にもよく知られている人間な訳で。深く被った帽子で目元は見えない。
だが、笑う口元だけで、その笑顔がどれほど眩いものか想像するのは容易かった。

船に乗り込み、再び潜水を開始したようだった。

『……ありがとな。』

色々な意味合いが込められたありがとうを、Aに投げかける。
Aは、こちらに振り返り、にぃっと笑って「うん、良かった！」とだけ返した。

…Aは俺の事を暖かいと言って抱きしめるけれど、俺からしみれば、Aの方が暖かい。温もりがある。
Aとなら、俺はどこに行ってもいい。ふとそんなことを思ったんだ。

俺の、眩しい太陽。

俺は覚悟は既に決めている。
Aの首に装着されたそれを見る。

…あんなモン、ぶっ壊して外してやりてぇけど…
いつ爆発されるかわかったもんじゃないし、荒業をして起爆されたら困る。

じわじわと腹の底から海軍への嫌悪感が滲み出す。

Aが死んだら俺も死ぬ。そんなことはとっくに決めていた。
…でも、少しでも俺はAに生きていて欲しいと思う。

…今はただ、この独り占めできる空間で、Aとの関係を深めようと思った。