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敵味方関係なく無差別に吹き飛ぶ攻撃を1番まともに受けたその大きな柱は、無念そうに膝を着いて笠を見て思いを馳せた。
『…まだ、生きている。』
だが、まだ動いている。そのタフさ、頑丈さに皆は驚愕していた。
そして、まだ立ち上がるオーズに、容赦なく砲弾の雨が降り注ぐ。
彼は…ゆるゆると処刑台に手を伸ばす。そしてその手は拳に変わり、せめて。と振りかぶるが…相手が悪かったか。
すっぱりと膝から下を切り落とした男は愉快そうに笑う。
それでもなお地を這ってでも処刑台に向かおうとするオーズは自分の心の支え、恩人に手を伸ばすも、影に貫かれ、それも叶わないままであった。
赤き鎧の男は、そのオーズの溢れ出る記憶を汲んだ上で、切りかかる敵を容赦なく串刺しにした。
いくら泣けども死人は戻らぬ。それを理解した上で、処刑台の上の引き金の男は泣き叫ぶ。
…争いは醜い。それを知った上で、まだこの世界で槍を突き立てる男は、何を思うか。
白ひげ「オーズを踏み越えて、進め！！」
その声に海賊たちはまた走り出す。大幅に繰り上がる戦線に海兵たちは、犠牲を払って食い止める。
処刑台の元、仁王立ちで待ち構える海軍の英雄の元に更に紅く染まった鎧がふらり、立ち寄る。
ガープ「…上等な鎧じゃの。髪も切ったのか？」
戦場なのかと思うほどの会話に、赤き男はふっと大人びた笑みを浮かべる。
そんな会話の裏で思案する英雄の想いを汲んで、そっと電伝虫を受け取って、処刑台へと上がる階段へと見送った。
『…作戦っていう程のことでもないけれど…早められるのかな？』
空から降ってくる大きな影を眺めながら、そう口にする男は、自らよりも派手な登場だ。と笑っていた。
そして戦いに戻ってしばらくしてから、戦場に一際響く「エース！」という呼び声を上げた本人をちらりと見やってから、首元に飛んでくる刀をかわし、殴り伏せる。
『…随分と派手なメンバーを集めたものだ！』
これはセンゴクさん大激怒案件だ。そう笑いながらまた1人ねじ伏せた男は、再び大業を繰り出し、その場を一掃した。
物凄い圧を感じ、何かと思えばルフィが白ひげに宣戦布告をしたのだと。それであの覇気か。と納得しつつ、何を手を止めているのか。と躊躇なく敵を刺し穿つ。
ルフィが進撃を続ける中、男はただ前線を離脱し、そっとモビー・ディック号へと足を運んだ。
かの偉大なる海賊に、たった一言を頂戴するために。
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作者名：みるつき | 作成日時：2022年9月27日 7時
