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40歩目 ページ43

Aはいきなりのことに驚いて未だに動けずにいた。そんな固まっているAを見たモモは麗の行動力に驚いた声を上げる。

「わ〜ぉ、やるねぇ麗ちゃん」

「あ………モモ」

麗がAの机を叩いた辺りでモモは教室に戻ってきていた。静かにざわつくクラスメイトと絶望したような王子様の顔。予想通りの展開に口許に薄く笑みを浮かべる。

「も〜だから言ったでしょ?『これ以上ちょっかいかけるとまた面倒くさいことになるよ』って。ちゃんと王子様に言ったの?」

自分の席に座ったモモは全く〜、と溜め息を吐いた。本気で心配しているようではない。むしろ楽しんでいるように見える。

「言ったよ。……モモは、こうなるって予想してたの?」

そうであったならすごいを通り越して怖い。やっぱり何かの能力者ではないのだろうか。

「んふふ、黙秘で。ほら、私って勘が鋭いでしょ?」

その言葉は『予想していた』と取っていいだろう。何者なのだろうか、モモは。最早人でないかもしれない。

「言ったのに結果がこれか〜。うんうん、いい方向だよ〜。ってか見た?王子様の顔。大丈夫かな?」

蒼の顔?桐島麗の威力が強くて見る暇がなかった。蒼はあのときどんな顔をしていただろうか。今は桐島麗に連れていかれいない、蒼が立っていた位置を見つめる。

「どんな顔?」

「真っ青だよ。絶望した感じ。初めて見たな〜王子様のあんな顔」

真っ青?絶望?そんな顔を蒼はしていたの?何かがショックだった?

「ちゃんと家に帰ってキスしてあげなよ〜」

「うん………」

と、心ここにあらずで返事をしてから気付く。

「き、キス!?」

何故それを!?昨日の出来事を監視されていた!?やっぱり家に監視カメラが!?

と慌てると同時に昨日のキスと気付いた自分の気持ちが思い出される。昨日Aは蒼とキスをしてしまったのだ。顔が真っ赤になる。

「あれぇ?何そんなに驚いてるの?何かあった?」

「な、何でもない……!」

とは言ってもモモの鋭い勘とやらでわかってしまうだろうが。だってモモは今もニヤリと笑っている。

「ま、とにかくケアしてあげてね。本当に嫌われる、みたいな顔してたから」

「分かった」

モモは微笑んだ。その笑顔の裏には腹黒い思いがつまっている。

Aったら純粋。さて、あとは君たち次第だよ。ああ楽しみすぎてどうにかなっちゃっいそう!

これから起こる展開を予想したモモは心から楽しそうにクスリと笑った。

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設定タグ:BL , 兄弟 , イケメン   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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埋夜冬(プロフ) - 名無しさん» 読んでいただきありがとうございます!ありますよー!蒼くんの方が高いです!そうですねぇ、大体10センチくらい差があると思っていただければ! (2022年3月19日 7時) (レス) id: 19b82d3da7 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 身長差とかってあるんですかね (2022年3月19日 3時) (レス) id: 39136fade0 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - お伺いしたいことがあるんですが (2022年3月19日 3時) (レス) id: 39136fade0 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 古紗雪さん» 待っててくださりありがとうございます!更新頑張りますね!もうガン見しててください(笑) (2019年2月28日 22時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 龍晴さん» そろそろ続編にいきますよ!そこで完結です!夢主くんと蒼くんはどうなるのか!?麗は成敗出来るのか!?モモの正体は!?乞うご期待ですよ! (2019年2月28日 22時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2018年12月28日 1時

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