信じない理由 31 ページ32
｢大丈夫だ監督生！僕が守るから！｣
考えるより先にそう言葉が出ていた。監督生が肩をびくりと揺らして大きな目で僕を見る。
｢あ、ありがと｣
驚いたように言う監督生の目が下を見る。そこには先程の勢いで監督生の両手をぎゅっと握る僕の手が。
｢ッ、あ、その、すまない！｣
バッと離したのに、指が細かったとか柔らかかったとか僕より小さな手だったとか、頭をグルグルしてしまう。よくケンカをしていた僕の手とはまるで違う。
何だか流れる気まずい空気を空咳で霧散させたのはローズハート寮長だった。
｢監督生、もうゴーストたちは怖くないね？｣
｢はい、良い人たちだって分かりましたから｣
それから監督生はゴースト達の方を向き、ぺこりとお辞儀をした。
｢ボク怖がりだから、ゴーストさん達を見て怯えちゃう事もあると思うけど······今まで我慢させちゃってごめんね。これから、よろしくお願いします！｣
｢よろしくなんだゾ！｣
グリムも一緒になって言うとゴースト達は手で口を押えて感動していた。
｢いい子だ！確実にいい子だ······！｣
｢こちらこそよろしくねぇ｣
｢可愛い子達なら大歓迎だ。こんなボロボロな寮だが、楽しく過ごせるようにしよう｣
監督生、NRCには勿体ない程に優しい良い子だ。僕も優等生を目指している身としては見習わなければならない所がある。
｢さて、それでは監督生。ボク達はもう行くよ｣
｢じゃあオレ達は――――｣
｢エースとデュースは今日の報告をしてほしいから寮に帰ろうな。聞きたいこともあるだろ？｣
｢そうそう。って事で監督生ちゃん、グリちゃんとゴーストと、仲良く過ごしてね！明日のお迎えはサバナクローの寮長だよ｣
｢分かりました！ありがとうございます｣
じゃあ、と監督生と分かれて寮へ向かう。聞きたいこと。確かにある。監督生は今までどんな生活をしていたのか。お姉ちゃん、とはどんな人物像なのか。他にも色々。
｢さて、他言しないのであれば、キミたちにも本当のことを話そう｣
寮についてからローズハート寮長の部屋に行く。頷くと寮長は静かに語った。
監督生の生活。姉からの虐待。大人に対しての洗脳。今は帰る場所がない事。
僕はエースと一緒に言葉を失った。やっぱり監督生は守らなきゃいけない存在だ。
｢ボク達はあの子に普通の生活をさせてあげたい。協力してくれるね？｣
｢｢はい、寮長！｣｣
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埋夜冬(プロフ) - 茜さん» 読んでいただきありがとうございます！続編でやらせていただきますね！お待ちください！ (2022年1月30日 11時) (
レス) id: 71445b0c29 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - 夢主のイラストを見て可愛い！と叫びそうになりました。リクエストでハーツラビュルにお茶会に呼ばれたらというのをお願いします (2022年1月30日 11時) (レス) @page40 id: 6b60f4e764 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - ユノンさん» こんにちは！コメントありがとうございます！私自身イラストが描けないので、絵心のある友人に頼んでみました！11日以降にまた覗いてみてください！きっとイラストが載ってますよ！ (2022年1月6日 17時) (レス) id: 5c8498129f (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 夢主人公のイラストが見てみたいです (2022年1月6日 12時) (レス) @page3 id: 53f56e15b5 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 星猫さん» 嬉しいです！！ありがとうございます！！続編までいくと思いますので、どうぞよろしくお願いします！！！ (2021年12月30日 14時) (レス) id: 5c8498129f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜 冬
| 作成日時：2021年11月21日 23時
