スキルを使った? ページ8
クルシュごと倒れると同時に蔦が地面を叩きつけた。だが場所は、先程クルシュがいたところより少し逸れている。倒れなくても、大丈夫な位置だった。
おかしい、蔦は完全にクルシュを狙っていたのに。
「A・・・・・・」
呼ばれて下を見ると、クルシュの顔が間近にあった。少女漫画でよく見る床ドンの状態。これは確かに、クルシュの顔も真っ赤になるわけだ。
「す、すみません!!あっ、お怪我は!?」
「い、いや大丈夫だ。前に集中していて気づかなかったから助かった。ありがとう」
退くとクルシュも起き上がる。クルシュは前にもAに助けてもらったことを思い出した。隊長になる前も、なってからも、自分は味方を助ける側だった。こんなふうに助けられるのは、Aと会ってからだ。
切羽詰まった顔をして名前を呼ばれたと同時に蔦が見えて、死ぬと瞬間的に思ったのに。
ドキドキと鳴る心臓をおさめて、花の魔物を見る。
「A、私は大丈夫だ。ファルのところに行けば安心だと思うが、ここから動くと危ない。私の後ろに」
見ればファルにも蔦や草木が総攻撃を仕掛けている。エルたちよりも激しい攻撃だ。さすがのファルも大変なようで、「クソッ!」と声を荒らげている。
女の人に守られるのも・・・と思うが、実際スキル以外何も使えないのだから仕方ない。大人しく周りを警戒しておく。
それよりも、何故攻撃が逸れたのか。
あの時ふわりと風が吹いた。スキルを発動する時と、同じ風。
スキルを使った?だが何かに集中させたわけではない。あの時Aが考えていたのはどうやったら攻撃が逸らせるかだ。"集中"はさせていない。
だがもし、特定の条件で攻撃を逸らすことが出来るのならそれは願ってもないことだ。
魔法も使えず攻撃スキルでも無いAでも、この討伐メンバーの中で役に立つ事が出来る。
当たり前だが、スキルを発動するのには条件がある。対象の何が知りたいのか、もしくはどうするのかを明確にすること。
それともう1つ。スキルの本質を理解することだ。
例えばAのスキルは[集中]。対象のものを指定の場所に集めることができる。これはわかりやすい。スキルの本質は"一点に集めること"だ。
だが先程の攻撃を逸らしたものは分からない。使えたということは同じ[集中]のスキルなのだろうが、本質が分からない以上次に意識して使うのは難しい。
さっきのどうやってやったのさ僕〜!!!
生きたいと願うなら死が迫っていても抗ってみせろよ→←いくら美人でも怖くなっちゃうよね
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埋夜冬(プロフ) - 千々さん» 最後までお読み下さりありがとうございます!!!もう本当にありがとうございます!超絶励みになってました!(語彙力) 主人公くんに万が一飽きると魔王様が攫う気満々ですが、その前にエル様がガードしにきます。玩具を取られたくないからね!!ガードが多いね主人公! (2021年3月13日 11時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 完結おめでとうございます! とても面白かったです! やっぱりファルの主人公に対する執着がいいなあと思いました。そしてファルが主人公に飽きる日は来ないらしいですが、もしそんなことになったら私が主人公を守りにいきます(( 本当にお疲れさまでした! (2021年3月13日 11時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 千々さん» ありがとうございます!!作者は更新時間まばらですが、これからも精一杯頑張らせていただきます!今後もよろしくお願いします! (2020年8月26日 12時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 続編おめでとうございます! とても楽しくお話を読ませていただいています! 楽しいお話の中にちりばめられた謎がとても気になって……! これからも読ませていただきます! 続きを楽しみにしていますね! (2020年8月26日 8時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - ふわふわありすさん» ありがとうございます!予定では続編でちゃんと終われるはず!頑張りますのでお楽しみに!コメントありがとうございます! (2020年8月26日 5時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2020年8月25日 23時