意識を向けるのは ページ36
｢力を、貸してくれる？｣
Aの問いに、ウンディーネはAの周りをくるくると回った。どうやら力を貸してくれるらしい。傍にいるかと思ったら、ウンディーネは倒れているファルとエルのところへ向かった。
何をするんだろう。見ていても分からない。とりあえず、害そうとはしていないようだから任せておこう。Aはノヴァーレに視線を戻した。
｢ハハハハハッ！！！！すごいな、規格外だよ！その力はどこで手に入れたんだ？その魔力は？ああ、見ていて飽きないよ！｣
ノヴァーレは笑った。心底楽しかった。こんなに自分が死の淵まで追いやられたのは久々だった。
ノヴァーレは地を蹴った。一直線でAの方へ向かう。手のひらには白い炎を出し、周りには黒い火の玉をたくさん展開しておく。
｢ほら、死なないように頑張って避けてよ！！｣
火炎系統の総攻撃。魔法には風の倍速効果もつけてあるので避けるのでは到底無理だ。火はまるで消えて見えるほど速い。
このままだと当たる。当たれば確実に死ぬ。Aは息を吸い込んだ。意識を向けるのは火の玉ではなく、大地。
｢
途端、周りの地面が動いた。地響きを鳴らしAの前に出来上がったのは土の壁。首をあげないと上が見えないくらい巨大なものが一瞬にして立ったのだ。
速さ的に見れば、もう火の玉は当たっている頃だ。この壁があまりにも頑丈で音すら聞こえないのかもしれない。
｢ありがとう、ノーム｣
今度は茶色い光がふわふわと浮いていた。ノームはAの周囲を1周してAの左肩に位置を落ち着けた。
同時に大地の砦が崩れる。その先には抉れた地面と舌打ちをする魔王。魔王の技は本当に壁に当たっていたようだ。
｢魔力量はまだ枯渇しないのか｣
｢さあ？僕はどんなにやっても1しか減らないから分からないや｣
｢へぇ｣
なるほど。魔王は頷いた。元々の魔力量の多さ。例え伝説級の四大精霊を召喚しても1しか減らないとなると、消耗戦はこちらが不利だ。
｢仕方ない｣
ノヴァーレは剣を抜いた。この剣は特別なもの。ノヴァーレのための剣だ。
｢大丈夫。もし死んだら
話は出来なくなるが厄災をもたらす強力なモノが出来上がることは確実だ。やはりノヴァーレはワクワクしていた。
｢その前に僕がお前を殺す｣
こちらだって負けられない。ファル達のために、お前は死んでもらう！
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埋夜冬(プロフ) - 千々さん» 最後までお読み下さりありがとうございます！！！もう本当にありがとうございます！超絶励みになってました！(語彙力) 主人公くんに万が一飽きると魔王様が攫う気満々ですが、その前にエル様がガードしにきます。玩具を取られたくないからね！！ガードが多いね主人公！ (2021年3月13日 11時) (
レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 完結おめでとうございます！ とても面白かったです！ やっぱりファルの主人公に対する執着がいいなあと思いました。そしてファルが主人公に飽きる日は来ないらしいですが、もしそんなことになったら私が主人公を守りにいきます(( 本当にお疲れさまでした！ (2021年3月13日 11時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 千々さん» ありがとうございます！！作者は更新時間まばらですが、これからも精一杯頑張らせていただきます！今後もよろしくお願いします！ (2020年8月26日 12時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 続編おめでとうございます！ とても楽しくお話を読ませていただいています！ 楽しいお話の中にちりばめられた謎がとても気になって……！ これからも読ませていただきます！ 続きを楽しみにしていますね！ (2020年8月26日 8時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - ふわふわありすさん» ありがとうございます！予定では続編でちゃんと終われるはず！頑張りますのでお楽しみに！コメントありがとうございます！ (2020年8月26日 5時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2020年8月25日 23時
