どちらがいいか天秤にかけて、 ページ18
ふ、はぁ･･････はぁ･･････ッ
ファルも参戦した対ゴーレム戦。皆等しく魔力を消費していた。荒い息が辺りに響く。呼吸を整えなければいけないのに肩でする息が止まらない。
クソッ！だからメンテ後のゴーレムは嫌だったんだ！俺が自分の魔力を抑えているとはいえ強すぎる･･･！！
滴る汗を拭いたファルはゴーレムを睨んだ。さすがは魔王討伐を目論む勇者たちを屠ってきた鬼族の騎士。
｢クッソ･･････！！あんな奴俺が――――――｣
｢ラナスト！駄目だ！｣
クルシュが叫ぶ。ゴーレムが金棒を振り下ろしたのと同時だった。ラナストには自信があった。金棒ごとき、この短剣で十分だ！
｢ナメルナヨ、若造ガ！！｣
｢ガッ――――――――！！！！｣
振り下ろされた金棒が避けたと思われたラナストの横腹に直撃した。簡単に飛ばされたラナストの体は血を落としながら木にぶつかる。助けに手を伸ばす一瞬もないほどの事に周りのメンバーは唖然となり固まった。
｢ラナストッ！！！｣
クルシュが目を見開いて駆けていく。咳き込むラナストの口から血が吐き出された。
｢た、いちょ･･････｣
｢喋るな！｣
｢クルシュさん、私が！｣
ハルがすぐさま駆けてきて傷口に手をかざす。彼女はシスターで、治癒の魔法も得意らしい。魔法陣が現れて、傷口に淡い光が降り注ぐ。
｢だがハルは魔力を取っておかないと･･････！｣
｢傷が深い･･･私の魔法でも助かるかどうか･･･。でも私の方が彼が助かる確率が増えます｣
ハルはじいっとエルの方を見た。分かる。許可をもらおうとしているのだ。魔力を消費していいかと。
エルは少し思案した後頷いた。彼をここで死なせるのと生かして騎士団に居続けてもらうのとどちらがいいか天秤にかけて、後者を選んだのだ。
ハルは力強く頷き返してさらに魔法陣を展開させる。
｢危ない！！｣
オリオンの声がした。そちらを向くと金棒が迫っていた。距離的には当たることはないだろうが、風圧で飛ばされることは容易に想像できる。
ヤバいヤバいヤバいここで僕まで飛んだらハルさんの仕事が増えて余計な魔力を消費するしファルは絶対怒るし裏の顔のエル王子に捨てられる･･････！！
そんなの嫌に決まってるじゃん！
――――――――金棒から出る風圧はあの小石に集中して！！
一か八か。今までは物体や目に見えた攻撃を集中させていたが、自然の摂理を集中させたことはない。
ふわりと風が前髪を揺らした。
弱点がないということは案外チートなのでは？→←それで問題ないね、とエルが笑った
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埋夜冬(プロフ) - 千々さん» 最後までお読み下さりありがとうございます！！！もう本当にありがとうございます！超絶励みになってました！(語彙力) 主人公くんに万が一飽きると魔王様が攫う気満々ですが、その前にエル様がガードしにきます。玩具を取られたくないからね！！ガードが多いね主人公！ (2021年3月13日 11時) (
レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 完結おめでとうございます！ とても面白かったです！ やっぱりファルの主人公に対する執着がいいなあと思いました。そしてファルが主人公に飽きる日は来ないらしいですが、もしそんなことになったら私が主人公を守りにいきます(( 本当にお疲れさまでした！ (2021年3月13日 11時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 千々さん» ありがとうございます！！作者は更新時間まばらですが、これからも精一杯頑張らせていただきます！今後もよろしくお願いします！ (2020年8月26日 12時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 続編おめでとうございます！ とても楽しくお話を読ませていただいています！ 楽しいお話の中にちりばめられた謎がとても気になって……！ これからも読ませていただきます！ 続きを楽しみにしていますね！ (2020年8月26日 8時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - ふわふわありすさん» ありがとうございます！予定では続編でちゃんと終われるはず！頑張りますのでお楽しみに！コメントありがとうございます！ (2020年8月26日 5時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2020年8月25日 23時
