第46話 ページ48
ライブの余韻がまだ抜けない。名残惜しくライブを終えて、会場から少し離れたカフェでココアを飲む。
ピコン、と携帯が鳴る。
『今から向かうね』
ゆったりとしたジャズが流れるカフェ。ここを待ち合わせに指定したのは咲夜で、ライブが終わってからここで待っていてほしいと連絡が来ていた。挨拶や打ち上げには消極的なメンバーなのでその場で解散らしい。
｢ごめん。随分待たせちゃったよね｣
入り口近くで待っていると咲夜が入ってきた。｢そっ、そんなに待ってないよ･･･！お疲れ様｣と熱くなる顔で言葉を返すと微笑まれる。咲夜は今のAが考えている事が手に取るように分かるので、クスッと笑った。全く、本当に可愛いんだから。
あっという間にココアの代金が支払われ外に出る。咲夜がぴたりとくっついて手を握り、そのまま咲夜のポケットに仕舞われる。暖かいけど、繋いだ手が恥ずかしい。距離が近いのも恥ずかしい。あああ！何で咲夜はマスク取るの！？かっこいいけど！あの曲聞いた後だからますます心臓に悪い！
｢気付いてくれたんだね、最後の曲の意味｣
繋いだ手がピクリと震えて、咲夜はAを見た。きっとこんなにAの雰囲気がぎこちないのも、曲の意味がわかったからだろう。
｢びっくりした？｣
自分でも声が弾んでいるのが分かる。まるでイタズラが成功した子供みたいだ。
｢びっくりしたよ！まさかライブでプロポーズするなんて思わなくて･･･ッ！！｣
ハッと口を覆ったA。恐る恐る見上げてけくる瞳に、にんまりと笑い返す。曲の意図は間違いなくAに伝わったようだ。
｢プロポーズだと思ったんだ？｣
あまりにも可愛くて少し意地悪したくなってしまった。茶化すように聞くと、Aはシュン･･･と下を向く。
｢･･････違うの？｣
街灯に照らされたAの瞳は潤んでいて、咲夜を映す。
嗚呼、これはダメだ。茶化すはずが、思わぬ反撃を喰らってしまった。
｢ううん。あれは、Aへのプロポーズだよ｣
人はいない。辺りは小さな街灯と月明かり。
｢A、これからもずっと、一緒にいてほしい｣
繋いでいた手をポケットから出して、別のポケットからリングを出す。内側にはお互いのイニシャルが入っているものだ。
｢嵌めていい？｣
溢れる涙をそのままにAは頷いた。左手の薬指にリングが嵌る。
｢お、俺でいいの･･･？｣
｢Aがいいんだ｣
瞬間、Aは咲夜に抱きついて何度も頷いた。わんわん泣くAに、咲夜は甘いキスをした。
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*-七海-*@めぐ民 - う〜ん…泣ける！もう、今我情緒不安定だからww涙めっちゃ出るんやけどww (2020年8月25日 21時) (
レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
*-七海-*@めぐ民 - 埋夜冬さん» なりましょう！(2人は我らが見てるって事を知らないのだな…) (2020年8月11日 23時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - *-七海-*@めぐ民さん» よし！2人で木になりましょう！！！ (2020年8月9日 22時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
*-七海-*@めぐ民 - 埋夜冬さん» wwwじゃあ、我はその木の枝役に立候補します！！ww (2020年8月9日 22時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - *-七海-*@めぐ民さん» でしょう！？私はめちゃくちゃイケメンな相手にやってるのを見る木の葉役に立候補します！！！ (2020年8月9日 13時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2020年6月28日 22時
