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第36話 ページ38

むしろ悔やんでいた。自分が、彼が人を大事にすることを恐れているのを軽く見ていたと理解したから。

「だから出ていった。Aに伝えなきゃいけない事が出来たからね」

ちょうど他にも曲を作らないとなぁ、とメンバーで話が出ていた。数曲程度なら問題ない。この溢れる想いをすべて歌にしてしまおう。Aへの愛と誰かが傍にいることの心地良さを知ってもらうために。
出来上がった曲は全て愛を歌うものだ。中でも『好きで溢れるように』は、一番初めに出来上がった曲だ。Aとの関係が本当に自然消滅しないように、一刻も早く届けなければいけない。

「だから緊急路上ライブにした。見てくれるかは賭けだったんだけど。・・・・・・良かった」

見てくれて良かった。
この想いが届いてくれて良かった。

「これが俺の過去。俺が今まで思っていたことの全てだよ」

静寂。まぁ聞いていて良い話でも無いわけだしそんなものだろう。激しく拒否されないだけマシというものだ。

だから、Aが泣いていると分かって狼狽えた。

「え、ど、どうしたのA!」

酔ってしまったあの時のように声を出さずに泣いていたので、泣いていると気付かなかった。ポロポロと零れる涙がAの手に落ちる。

「だって・・・・・・ッ!咲夜がそんな辛い日々過ごしてたなんて知らなかったし・・・・・・それなのに俺の世話とか、俺の事すごい大切にしてくれてたのに・・・!俺、出てってなんて・・・・・・ッ!!」

「知らなくて当たり前だよ。言ってなかったんだから」

言ってないことを全て察知するなんて無理だし、共感して欲しいとも思っていない。知らなかったことを悪だと思っているのならそれは違うと思う。
それに自分だってAの考えていることなんて全て分からない。
でも、それで苦しく思うほど、俺はAに想われているのだと考えると悪い気はしなかった。

「大丈夫、大丈夫だよ」

ごしごしと荒く目を擦る手を止めた。今度は払われなかった。涙で溢れる瞳が咲夜を見る。キラキラと照明を反射して、こんな時だと言うのに綺麗だと思った。

Aを抱きしめてポンポンと髪を撫でる。

「背中に手を回してごらん?落ち着くよ。それに、俺ももっと抱きしめたい」

ついにしゃくりをあげて泣き始めた愛しい人にそう声をかけるとゆっくりと背中に手が回った。ぎゅうと抱きしめられて、背中の服が握られている感触がする。
咲夜も手に力を込めてAを離さないよう抱きしめた。

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*-七海-*@めぐ民 - う〜ん…泣ける!もう、今我情緒不安定だからww涙めっちゃ出るんやけどww (2020年8月25日 21時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
*-七海-*@めぐ民 - 埋夜冬さん» なりましょう!(2人は我らが見てるって事を知らないのだな…) (2020年8月11日 23時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - *-七海-*@めぐ民さん» よし!2人で木になりましょう!!! (2020年8月9日 22時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
*-七海-*@めぐ民 - 埋夜冬さん» wwwじゃあ、我はその木の枝役に立候補します!!ww (2020年8月9日 22時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - *-七海-*@めぐ民さん» でしょう!?私はめちゃくちゃイケメンな相手にやってるのを見る木の葉役に立候補します!!! (2020年8月9日 13時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2020年6月28日 22時

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