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10話[☆] ページ21

琉司はどんどん違う写真を撮っていく。
クッションを抱き締めてソファーに座るかぐや様。花瓶に花を活けているかぐや様。本を読んでいるかぐや様。うたた寝してしまったかぐや様。その他何十枚も色々なかぐや様を撮られた。
と言ってもそれを許可したのは僕なのだが。
僕は一段落するまでかぐや様の声を真似ていた為、琉司から何度も「すげぇ」と言われた。

ある程度写真を撮った所で、動かした家具やアンティーク達を戻してもらう。

「ご満足いただけました?」

そう琉司に問う。なるべく早めに終わると助かる。他にもコスプレしてネットに上げたいのがあるのだ。

「・・・庭。そこで撮ったら終わる」

あの花が物凄く綺麗な所。あそこは僕や両親達の好きな花が沢山ある。

「一流の庭師がいますから、綺麗なのは当たり前です。庭はお客様を迎えるときすぐに目に入るものですから。常に整えてありますの」

家の中だけで無く外まで綺麗にするのが基本だ。
昔から母に言われていたのだ。

「じゃあ撮っていいんか?」

「ええ、行きましょう」

静かに足音を立てずに歩いて行く。
ふと後ろを振り返ってちゃんと着いて来ているか確かめる。

「おー・・・!」

奥の真紅の薔薇が引き立つようにつくられている。薄桃色の花と白い花は小さくて色合いも目立たない。だからこそ瑞々しい赤色をした薔薇が胸を張れるのだ。
流石、彼だ。

「こちらの花はカルミアと言うのですよ。花言葉は『優美な女性』『大きな希望』。可愛い花でしょう?」

僕が指したのは薄桃色の花だ。

「おまっ・・・じゃなかった。かぐや様、花の説明もできるんすか」

「ええ、当然の事ですわ」

そして白い花を指さす。

「こちらの花は山査子(さんざし)と言います。花言葉は『希望』『慎重』。蕾がコットンみたいでしょう。この花もとても可愛い」

しゃがんで山査子を見つめる。思わず花に微笑みを向ける。すると写真を撮る音がした。

「すげーいいのが撮れちまった・・・」

彼が余りにも呆然として言うものだから首を傾げる。

「あら、もうよろしくて?」

「お、おう。ありがとな」

そう言って彼は写真を見ていた。

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埋夜冬(プロフ) - 桧さん» 返信遅くなりすみません!続編にいくので、引き続き応援よろしくお願いします!コメントありがとうございました! (2021年9月7日 18時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
- めちゃめちゃ面白いです!!更新楽しみに気長に待ってますね!! (2021年8月6日 0時) (レス) id: f7e0d06981 (このIDを非表示/違反報告)
ひらり(プロフ) - あおん。さん» コメントありがとうございます!ゆっくりとした更新になりますが、これからも応援の程宜しくお願い致します! (2020年9月28日 13時) (レス) id: 39d75deffc (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - あおん。さん» ありがとうございます!ちまちま更新していきますが、これからも応援よろしくお願いいたします! (2020年9月28日 8時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
あおん。 - 面白いです!更新楽しみにしてますね! (2020年9月28日 4時) (レス) id: 71950dc544 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:埋夜 冬 | 作者ホームページ:http://uratuku/sounewawawa1  
作成日時:2020年3月1日 13時

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