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63冊目 ページ24

『話がしたい。』とメールを送れば『今向かいます。』と返ってきた。凛音の言う通り、このまま話をせずに遠くなってしまうなんて嫌だ。凛音に取られるのも嫌だ。
でも怖いのも確かだ。この気持ちを話して気持ち悪いと言われたら?専属編集者を辞めたいと言われたら?どれだけ心に深い傷を負うか、考えただけで身震いする。

心臓がずっとドキドキしている。落ち着かない。Aはいつ来るだろう。ああでも、もう少し時間が経ってからでいいな。だが早く来ないと決意がどんどん無くなってきそうだ。

部屋を行ったり来たりしていると、インターフォンが鳴った。モニターにはAの姿。
ああ遂に来てしまった。

「開いてるから入って」

自分でも分かるほど声が緊張している。逃げ出したくて堪らないけど、Aと今後会えなくなるのとどっちがいいのかと聞かれたら絶対に話し合うことを取る。Aと会えなくなるなんてごめんだ。

「ど、どうも湊先生」

「……うん、どうも」

2人の距離はぎこちない。動作が強張ってしまってどうしたらいいのか分からない。

「とりあえず座りなよ。話あるから」

「はい」

いつも座っていたはずのソファは何だか久々な気がしてAは落ち着かない。
気付くとロイヤルミルクティーが用意されていて何だかもう居たたまれない。

しばらく沈黙が部屋を支配した。
初めに話したのは湊だった。

「ごめんね。その……キスのこと。何も考えずにあんな酷いことして」

「そ、そんな!湊先生が謝ることじゃないです!俺が何も考えなしに嘉川先生の話に乗ろうとしたからで……!」

湊は首を振った。

「Aがいつも俺のことも俺の小説のことも大切にしてくれるの、分かってるから。でも、俺もAのことが大切だから自分のことを大切にしてほしかったんだ」

湊は泣きそうに顔を歪める。

「だからってすること間違ってるよね。その結果がこんな状態なんだから」

そんなことない。俺も悪いのに湊先生だけのせいじゃない。
そう言いたいのに、何故か口を挟んではいけない気がした。

「それでさ、Aがいなくなって気付いたことがあるんだ。……言っていい?」

何を言われるんだろう。怖いながらも頷いた。
湊は何度も深呼吸をする。ここで言わなければ、もう一生言えないだろうから。

「Aのことが好きだ。いなくならないで。Aだけは俺のそばにいてよ」

声が震えていて女々しいけど今の精一杯だ。
例え今後話せなくなったとしても、後悔はしない。

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埋夜冬(プロフ) - 白澤 晴夜さん» ありがとうございます!返信遅れてごめんなさい!キュンキュン出来ていたなら良かったです(*´ω`*) (2019年12月14日 13時) (レス) id: 87a5a46f37 (このIDを非表示/違反報告)
白澤 晴夜(プロフ) - 完結おめでとうございます!!もう最後までキュンキュンしながら読ませて頂きました〜!!この2人には、これからも永遠に幸せでいて欲しいです!!これからも頑張ってください!応援してます! (2019年12月13日 22時) (レス) id: 5742d2c832 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - ゼロさん» 返信遅くなりすみません!ドキドキしていただけたなら作者も満足です!次回作もよろしくお願いします! (2019年12月7日 10時) (レス) id: b51b60f8c3 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 唳桜さん» 返信遅くなりすみません!可愛く書けていたなら良かったです!次回作も作ったのでぜひ読んでみてくださいね!この作品を読んでいただきありがとうございました! (2019年12月7日 10時) (レス) id: b51b60f8c3 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - とても面白かったです。僕自身とても好きなジャンルで読んでてとてもドキドキしました!完結おめでとうございます。これからも応援しています。頑張って下さい(^▽^)/ (2019年12月1日 11時) (レス) id: aaae856515 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2019年8月10日 22時

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