藍様リク トリック・オア・トリート ページ48
エサを求める鯉のように、Aはパクパクと言葉にならない声を発した。
なんだこのイケメン。ただでさえも蒼は常人離れした美貌の持ち主なのに、こんなイケメンを引き立たせる格好をしたら救急車で運ばれる、僕が。
誰か救急車〜！と脳内で悲鳴が上がっているAは、ゆっくり近づいている蒼に従ってゆっくり後ろに下がっていった。
「かっこいいよ！すごく似合ってる！」
「ありがとう。でも何で下がってるの？」
「かっこよすぎて近付いたら滅されそうだから！」
本人を前にしておかしなことが言えてしまうレベルに蒼はかっこいい。洋風が似合いすぎてツラい。
「A、知ってた？桃華先輩はこの日のために服を作って学校内で売ってるんだよ。その桃華先輩が、東雲くんは絶対これ！って渡してきたんだ。ふふっ、顔真っ赤。そんなにいい？」
え、モモったらそれは知らなかった。初耳だ。
つまり蒼の服は桃華からか。いい仕事するよなぁ、と思う。何を考えいるのかは分からないが。
「A、トリック・オア・トリート！やっぱりハロウィンだから言わないとね」
蒼からのトリック・オア・トリート。モモが言ったいたずらを仕掛けなければいけない。
「えっと、ごめんね？甘いお菓子は持ってないんだ」
ニヤリ。
蒼はその瞬間、Aを引き寄せ腕の中におさめた。
忘れちゃいけない。モモと蒼は連絡先を交換し合っている。つまりは、グルなのだ。この服も、あの台詞も。
「甘いお菓子、Aは持ってるよ」
「へ？」
鎖骨辺りに手を滑らせた蒼は、Aの肩を覆う服ずらす。
「今の俺にとっての甘いお菓子は――――――Aだからね」
蒼のコスプレはヴァンパイア。血を求めて彷徨う鬼。なら、甘いお菓子はAの血。
蒼はずらした肩辺りに唇を近付け、ヴァンパイアのように肌を吸う。
「んっ……！」
Aの肩には綺麗に紅い跡が付いた。
それは、蒼の恋人である証。
「嫌だった？」
そう聞くと、Aはブンブンと首を振った。ぎゅっと蒼に抱きつく。
「ううん、嬉しい」
ちゅ、と蒼の唇にキスをした。
「僕、すごく幸せだよ」
Aは、それこそ食べちゃいたくなるほど甘くとろけた笑顔を見せた。
ああ、本当に、愛しくてたまらない。
「俺も幸せだよ」
額を合わせ、将来を誓い合うかのように目を閉じた。
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埋夜冬(プロフ) - ｳｪｰｲさん» 喜んでいただけているご様子ですね！嬉しいです！ (2021年7月10日 22時) (
レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
ｳｪｰｲ - (*＾▽＾*) (2021年7月10日 22時) (レス) id: 600bb56534 (このIDを非表示/違反報告)
トマトジュース - アギャァァァァァァ！！無理尊い、辛い、泣けるンゴ、吐血するンゴ、つかしたんご (2019年9月19日 22時) (レス) id: b4078055ec (このIDを非表示/違反報告)
カナ - （＾∇＾） (2019年7月13日 14時) (レス) id: 99b9fc8fa9 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - カナさん» ありがとうございます！もうすぐ終わりますのでお楽しみに☆ (2019年7月12日 7時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作者ホームページ：http://uratuku/sounewawawa1
作成日時：2019年3月5日 23時
