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痛い。周りの視線がとてつもなく痛い。「え、あれ蒼様！？」「誰なのあの女！」「蒼様に抱かれてる！？」などなど、蒼を知っている我が校の女子達からとんでもなく嫉妬と疑問と蒼様素敵という視線を感じる。
そりゃそうだ。Aだって蒼のような人がこんなふうに走ってたら噂する。
「ごめん、これは俺のわがままなんだ。やっと一緒になれたのに、まだ告白してくる子達が多くて……。俺は誰にも邪魔されず時間を過ごしたい。Aが怒っても仕方ないことしてる自覚あるし、しばらく口を聞いてもらえない覚悟もしてる。だから、」
Aは掴んだ状態のままチラリと蒼を見上げた。蒼はAと目を合わせる代わりに抱いている手に力を込めた。
「ベストカップルコンテストに出てほしい。Aはしゃべらなくていいから。ただ、隣にいて」
お願い、と蒼は苦しそうな顔で言う。高校生を抱えて走っているせいもあるだろうが、嫌なのだ。Aにもし嫌だと拒否をされたら。もし家に帰っても話せなかったら。それは蒼にとって最も辛いことなのだ。
「……蒼、邪魔されず時間を過ごしたいって、そう思ってるのが蒼だけだと思ってるの？」
あまりに驚いたのか蒼は走りながらAを見た。
「僕だって思ってるけど。それに蒼の可愛いわがままを僕が嫌だって言うと思ってるの？」
少し拗ねたような口ぶりになってしまった。蒼は前を向いて、笑う。恋人があまりにも可愛いからだ。
「ありがとう」
いよいよグラウンドだ。まだベストカップルコンテストはやっている。そろそろ投票の締め切り時間なので出し物を終えたこの学校の生徒が多い。
「さて、そろそろ愛を叫ぶ人もいなくなったかなぁ！？」
「待って！！！」
司会の実行委員がそう言ったので蒼は今まで出したことのないくらい大きな声で叫んだ。王子様の格好をしている蒼に周りがザワザワする。
「俺も、ここで言いたいことがあります！」
グラウンドに着いた蒼は台に乗り、深呼吸をして息を整える。ゆっくりと下ろされたAは心配そうに蒼の背中をさすった。
「おおっと！？ここで我が校のアイドル！我が校の王子！一年、東雲蒼の登場だぁ！！」
実行委員会委員長が場を盛り上げる。マイクの音声を聞いてか、教室から覗く生徒も見えた。
「……よし」
呼吸は整った。周りに言いたいことも、覚悟も。
蒼は深く息を吸う。
「俺には、心に決めた人がいますっ！！！」
ぐいっとAを引き寄せた。
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埋夜冬(プロフ) - ｳｪｰｲさん» 喜んでいただけているご様子ですね！嬉しいです！ (2021年7月10日 22時) (
レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
ｳｪｰｲ - (*＾▽＾*) (2021年7月10日 22時) (レス) id: 600bb56534 (このIDを非表示/違反報告)
トマトジュース - アギャァァァァァァ！！無理尊い、辛い、泣けるンゴ、吐血するンゴ、つかしたんご (2019年9月19日 22時) (レス) id: b4078055ec (このIDを非表示/違反報告)
カナ - （＾∇＾） (2019年7月13日 14時) (レス) id: 99b9fc8fa9 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - カナさん» ありがとうございます！もうすぐ終わりますのでお楽しみに☆ (2019年7月12日 7時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作者ホームページ：http://uratuku/sounewawawa1
作成日時：2019年3月5日 23時
