世界一綺麗な音【宇髄天元】

38音目 ページ42

「………………ほんとに来やがった」

「あいつか？兄ちゃんの犬ってのは……？」






『！？』






刀に手をかけて声のする方を向く










「今日はあの怖い兄ちゃん方居ねぇんだなぁ……


つーかあの情報屋まじだったんだな







鬼を斬る鬼殺隊ってのがあって、鬼みたいに暴れたり人を殺せば……



ぜってぇ現れるってwww



へぇ…………………………あのじじい殺したかいがあったな」





殺した………………？






こ、ろ、した？





誰が？誰を？





誰のせいで？








私のせいで、




私をおびき寄せる為にこいつは見知らぬおじいさんを殺した





悪いのは誰？









………………逃げた、私







違う、私は生きたいだけ




大丈夫、何もしてない




悪いのはこいつら



何もしてないおじいさんを殺した鬼はこいつら








こいつらは鬼なんだ






悪い鬼は………………私が…………




『………………滅殺してやる…』









ぼやける視界の中、私は静かに刀を抜いた







「おいおい、お前何勘違いしてんだぁ？


悪いのはお前だろ？





お前が最初から逃げてなけりゃ、お前が死んでいれば


行きたいなんて思わなけりゃ



ジジイも周りの何もしてない人達も



お前のせいで全員死んだ



お前が殺したも当然wwwwww！！



お前はまだ罪を重ねんのかぁ……？？？」








パキッ





心が割れる音が響く






皆に少しずつ治療をしてもらってたのに



長い時間をかけて、修復した心が




いとも簡単にこの男の一言で壊れてしまう









刀を震わせて握り、振りかざす





『なんで……………………、動かないの？』





私が首に刀を当ててもビクともしないこいつ


取り巻きたちは1歩下がったのに……





なんで、この状況を……楽しんでんの？？







「お前じゃ俺を殺せない……、




俺は鬼じゃない、人だからなぁ……




わかってんだろ……？A」





『っ……



お前みたいな奴に……私の名前を呼んで欲しくない……』



刀を鞘に戻して拳を握る







大丈夫、3人なら余裕




ビュンッ






「っと…………終わった頃にまた来るわ




そいつの顔には傷つけんなよ」




「「はーい」」





『待てっ………………どこにっ……「嬢ちゃんの相手はこっちだよー？」



っ』






大丈夫、痛くない



宇髄さんとの訓練の方が辛いから




大丈夫





今の私なら倒せるから……

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