世界一綺麗な音【宇髄天元】

14音目 ページ17

次の日から稽古が始まった




「後5周！！！！」

『はいっ…………！』




物凄く厳しかった

とてもとても厳しかった

山と敷地を20周



何時間かかってもいいから走り切れ……




朝に走り始めたのに終わったのは日が沈む頃




終わった時は物凄く褒めてくれた

汗をかいているのに抱きしめてくれて

よく頑張ったなって

それが楽しみで毎日頑張った





開始から5日目



お昼頃までに走りきれるようになった

善逸も一緒に訓練中



「凄いね……Aちゃん」

『……リズムに乗って走ってるの

一定で』

「足音もしないし俺より速いし……体力どうなってんのぉぉ……」


体力……？




『体力は気にしないよ、だから時々倒れちゃうの。もう倒れないけど』

「えぇ！？」




「Aは刀を使うぞ、善逸はもう20周！！」

「嫌だぁぁぁぁぁぁっ！！！！」

「よし、行ってこい！！」



善逸のおしりを思いっきり叩くと善逸が走り始める

痛そう……



その後は刀の事や、呼吸の使い方を教えて貰った


「んー、呼吸できてんなぁ……

完璧で教えることねぇんだよなぁ……」

『ぇ、私普通に呼吸してるだけだよ？』

「それが出来てんだよな……

つーか、2日目くらいから出来てたな」


山をリズムに乗って走り始めた日だ


「んー、お前に合った型がねぇんだよなぁ……」

『………………型』







"氷の呼吸 壱ノ型 極寒監獄"






バキっ



「………………は、？」



『ぁれ……？』



前を向くと氷で出来たような檻が宇髄さんを囲んでいた



『これ、私が………………？

ごめんなさいっ今……！！』



私が檻を掴むと宇髄さんが驚く



「…………ぉ前……痛くねぇのか？」

『…………ぇ』



「普通の奴なら冷たさで手の皮が取れるぞ……

お前どうやって…………」

『私………………どう、して……』




なんで……？




私が触れた檻は直ぐにバラバラになり、溶けた

どうしてそうなったのかはわからないけど

この檻が私の呼吸で出来たことは直ぐに理解した



「お前型使えたんなら言えよ……w」

『違う……、わ、わたし

私じゃないよ……今の……だって私そんな言葉っ……』




"またいじめられたの？大丈夫、俺が守るから"

"雪って綺麗じゃない？"

"氷も好きだよ"

"俺は___を倒す"

"________だから"




誰の声……？




"忘れないで、俺の事"

"俺の呼吸をあげるから"





"雪南、俺の名前です"



『この人…………………………誰……』

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