世界一綺麗な音【宇髄天元】

13音目 ページ16

「もう、1人で泣かなくていいんだよっ……


俺と一緒に生きよう？


……って、俺が泣いてどうすんだよぉ……」





誰かが私の為に泣いている


私を思って涙を流す


そんなの……今まで1度も無かった





『っ、ぅぅ…………っ』


「A、俺も守る」


『ぎゆっさん、……』





「泣き虫とぼっちに先陣切られるとか…………

A、俺もお前が大切だ

ぜってー守るからよ……」





「うむっ！

守ってみせる！」





「俺もだァ」






皆が私を抱きしめてくれる





怖かった不死川さんも暖かくて

1番優しい音がした



皆が私を離すと、私は立って善逸の事を抱きしめた


「うぇっ！？ちょ、ぇ、Aちゃんっ！？」





『ありがとう、善逸……

私もう……怖くない


ありがとうっ…………』


「うっ、ぅ………………Aちゃぁぁぁぁぁんっ！！

寂しかったよねぇ、痛かったよねぇっ……」




抱きしめながら頭を撫でて

私よりも号泣してるのに

私の何倍も強くて優しい音がする




『善逸は……強いんだね』

「はぁ！？どこが！？」

『……………………？』




気付いて……ない……………の？



まぁいいや



『善逸』

「ん？」

『大好きっ……』

「ほぇっ………………………………俺の事……」





「A、俺のことも好きだよな？

大好きだよな？1番好きだよな？」

「俺の事が1番すきだ」

「何やってんだァ？お前ら
頭いっちまったかァ…………？Aは俺が1番好きなんだよ、馬鹿野郎」




どうしたの、この人たち



『皆1番大好きだよ、

あんな風に優しく抱きしめられたこと無かったもん……』


「「「「…………まぁ、いいか」」」」



その後はもうどんちゃん騒ぎだった、


義勇さんはお酒弱すぎて倒れるし……

不死川さんは、"げんや"って人のこと話すし

善逸は間違えてお酒飲んじゃって泣き叫ぶし

宇髄さんは私の手握ったまま私の肩によしかかって寝てるし

煉獄さんはどこかわかんない方向見て


母上……と呟き


さつまいもご飯を食べて


わっしょい！！


…………この人大丈夫かな




「んんっ……」

『あ、宇髄さん…お水要る？』

「要らね……つーかねみぃ……」

『寝てて良いんだよ、あの人たちも潰れそ……』

「んじゃ、お前も寝ろ」



そう言うと宇髄さんは隣に私を寝かせて抱きしめて自分の羽織をかけ、笑った

「あったけぇだろ？これで怖い夢見ないな…」


宇髄さんの笑顔を見ると胸がチクってする……

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