恋心。 ページ8
「A」
愛おしい声がまた私の名を呼んだ。
また胸が締め付けられる。
エンマさんへの恋心を無くしたら私は普通に友人として接する事ができるだろう。
だけどこの長い間、積もった恋心はそう簡単に消えはしない。
私を縛り上げ、解放なんてしてくれない。
なんでこんなに愛おしいのかな。
なんでこんなに『好き』という感情が私を埋め尽くすのだろう。
「…エンマ、さん」
胸が締め付けられながらも必死に言葉を作れば、ふわりと嬉しそうに目を細め、エンマさんは満面の笑みで返してくれる。
「あぁ。Aに呼ばれるとやはり嬉しいな」
ずるい。
私の気持ちも知らないでそんな笑顔をするなんて。
本当にずるい方。
「エンマ、私達の仕事の邪魔は許さない」
そっと私の腕を掴んでカイラ様は後ろに引いた。
目の前にはカイラ様の背中があり、エンマさんから隠れるような形となった。
「すまん、すまん。邪魔したな」
エンマさんは笑う。
もう帰るようだ。安堵というか寂しいような。
少し複雑である。
「カイラ、仕事のし過ぎで体を壊さねぇようにな」
「…あぁ」
「A」
先程よりも穏やかな声が聞こえて私は急いで返事をした。
「またな」
「は、はい…」
少し笑い声が聞こえたかと思えば消えてしまった。
「はぁ…エンマ…あやつは嵐のような男だな」
やれやれといった顔つきでカイラ様が振り向いた。
「A、大丈夫だったか」
「はい」
「…はぁ…全く大丈夫じゃないだろう」
カイラ様の手が私の頬に触れて気づいた。
「つ、冷たいっ…」
「お前の頬が熱くなりすぎただけだ」
「顔…真っ赤ですか？私…」
「あぁ。あとなぜ泣く」
カイラ様の下がった眉を見て、私はそっと目元に手をあてるとポロポロと涙が溢れていた。
「こ、興奮し過ぎちゃって…」
鼻水も垂れそうになってくる。
恐らく、興奮で火照った体を冷やそうと必死になっているのだろう。
「ふっ…あの状況で興奮したのか？」
「…その言い方は酷いです…カイラ様」
「ははっ、すまない」
カイラ様は少し笑うと、私の頬にまた触れた。
「ひぇ…冷たいです…」
「あぁ。冷やしてやっている。だから早く泣き止むんだな」
「カイラ様も私が女だってこと分かってますか？」
カイラ様も距離感がおかしい気がする。
「あぁ、分かっている」
群青色に赤が少し混じった瞳が優しく細められた。
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岸 - yuiさん» yui様、好きと言っていただけて、こちらもきゅんきゅんしております( ´ ▽ ` )これから、もっとキュンキュンさせられるように頑張りますね！コメントありがとうございます(^^) (2022年8月4日 20時) (
レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
岸 - GHJさん» GHJ様、素敵なコメントをありがとうございます！返信が途方もなく遅くなってしまい、申し訳ございません…！これから再開していきますので、よろしくお願いします(*^^*) (2022年8月4日 20時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
岸 - 花音さん» 花音様、お返事が遅くなってしまい申し訳ございません。そう言っていただけて光栄です(^^)またぼちぼち再開していきますので、よろしくお願いします！ (2022年8月4日 20時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
yui - めっっっちゃ好きですこの話...凄いキュンキュンして、一人で悶えてます...... 執筆お疲れ様でした♪ (2022年1月22日 15時) (レス) @page20 id: 091807da6e (このIDを非表示/違反報告)
GHJ - 読んでいると楽しくなりすぎてもう全て読み終わっちゃいました＞＜続き楽しみにしてます！ (2021年12月5日 20時) (レス) @page20 id: 0fb369d062 (このIDを非表示/違反報告)
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