泣いちゃダメ。【呪術廻戦】【狗巻棘】

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Aside


「………ん…」

目が覚めた。
懐かしいような、悲しいような、夢を見た。

頭に何かがあり、頭を動かすに動かせない。
視線を上にずらすと白い髪がちらりと映る。
もっと大丈夫かなと思い、顔をそのまま回転させる。
すると棘くんの髪が顔に当たり、少し擽ったい。
髪の隙間からは長く伸びた睫毛が見える。

すると今度は右手に温かみを感じた。
顔を動かすと、棘くんの手と私の手が絡められて恋人繋ぎになっていた。


…は？
こんなん傍から見たらカップル以外の何でもないじゃん！
起きろ狗巻棘！

うわああああと悶えていると、当の本人は「つなまよぉ」と可愛く寝言を発した。

可愛いんですが。
はっ！
呪言師の寝言ってかなり危険性高いんじゃなかったっけ？
応急処置とは言わないけれど、耳だけ呪力で守っておく。

そして、取り敢えず手だけでも、と左手で棘くんの指を外していく。
自由になった両手。
片手で棘くんの肩を揺さぶり、もう片方でスマホを探す。
これぞ俗に言う片手間！

どっちが根幹かって？
スマホだよ。
幼馴染だからこそ為せる技だよね、うん。
勝手に自分の中で理由付けしながらも、スマホを取り出す。

「………んん…ん？」

棘くんが起きた。
因みに時刻は23時。
もうすぐ着くじゃん！！

「こんぶ………しゃけ高菜？」
「今23時。もうちょっとで東京だよー！」

−−−−−−−
ちなみに…Aが寝たあと……

(A良い匂いする……)


(手くらい繋いでも大丈夫だよね……？小さい頃も手繋がないと寝れてなかったし)


(Aの手、スゴい数の傷ある……偉いなぁ……起きたら褒めてあげよう)

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