泣いちゃダメ。【呪術廻戦】【狗巻棘】

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Aside

制服に着替え、青江と呪符を持ち、伊地知さんの車に乗り込む。
棘くんが既に後部席に乗っていたので、隣に座る。

「病み上がりなのにすみません。五条さんがどうしても…」
「大丈夫ですよ。いつもお疲れ様です」

2ヶ月前よりも伊地知さんがやつれていることが心配だ。
ちゃんと休むべきだよ。
身体壊すよ。

「今回の任務は駅で行います。ここ数日、構内で行方不明になる人がいたり、変死体が発見されたりしています」
「なるほど」
「お2人の任務は呪霊討伐と行方不明者の確認です」
「しゃけ」

伊地知さんの説明を聞きながら、棘くんから渡された手元のタブレットに目をやる。

＿＿＿＿行方不明者10名
＿＿＿＿死亡 4名

数日間で14人……結構多いな。

1人ひとりの顔写真や健康状態、経歴にも目を通す。
最後の1人をスクロールしたあとに出てきたのは、4人の変死体だった。
思わず顔を顰める。

「あれ、変死体と言っても特級相当のものじゃないんですね」
「えぇ」

腕が身体に巻き付けられていたり、心臓が無くなっていたり。
死体が残っていること自体奇跡に近い。
でも、過信は禁物だ。
呪霊が成長して特級になっていたら。

今の棘くんは一級。
私より多分強い。
でも、呪言には跳ね返りがある。
棘くんに頼ってばっかりじゃいられないんだ。

「着きました」

着いたのは普通の駅。
バスターミナルがあって、割と大きい。
いや待てこれ田舎の基準？

駅前には既に規制線が貼られている。
警察もちらほら。
でも………

「呪力ぱねぇですね」
「…しゃけ」

駅全体が、でかい呪力で覆われているような。
やっば緊張してきた。

「そうですね。お2人は分かっていると思いますが、呪霊が、もし特級相当に成長していたら任務変更です。逃げてください」
「…………分かってます」
「ツナマヨ」

手に力が篭もる。
このでかい呪力。
なっていても可笑しくはない。

「いくら」
「行ってきます」
「………ご武運を」

伊地知さんと別れ、棘くんと2人、駅に向かって歩き出す。

「帳を降ろします。闇よりい出て闇より黒く、その穢れを禊払え」

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