【地縛少年花子くん】先輩のあなたに【源光】 (ページ4)

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女子トイレの花子さん参ページ4

｢お願いとか叶えられるの？」

｢まーいますぐ両想いってわけにはいかないけどね、
ハイこれ。」
花子さんから手渡されたのは…恋のハウツー本…。これ、何十年前の物だろう…。

｢……。」

｢まーまー、言ったろ？人智を越えた力を使うには代償がいるんだって。」

｢でも、
少年は放課後女子トイレを掃除しに来る。Aもそれに参加すれば…」
｢源先輩と共通の話題ができる！」

やったぁ！とガッツポーズを決める。

｢ありがとう、花子さん！私も放課後、ここに来ていい？」

｢オッケー。人手が増えるのは大歓迎だしね。ハウツー本読んで、がんばれ！」

これから、放課後源先輩に会えるんだ！そう思うと顔がほころぶ。

｢ありがとう、花子さんのおかげでちょっと学校が楽しみになれたかも。」
｢A、…学校、楽しくないの？」
｢うん。行きたくないし、早く無くなれ！って思ってる。」

｢そっかー。俺、地縛霊だから学校の外出れないんだよねー。」

｢うわ、ナニソレ。最悪じゃない〜！」

｢でもけっこー楽しいんだ。今は、ヤシロと少年…トモダチってのがいるから。」
｢Aも、トモダチできたらきっとガッコー楽しくなると思うよ。」

｢……………うん…、ありがと。」

キーンコーンカーンコーン…

３時限目が始まるチャイムが鳴り響く。

｢わーーー！！授業はじまっちゃう！
またね！花子さん。」

｢ウン、また放課後に。」

授業の始まっている教室に入ることは初めてだ。居心地が悪い。

席に座ると普段話すことのない隣の男子から声をかけられた。
｢なぁ、さっきの叫び声なに？トイレですっげー大声だしてたらしーじゃん。」

｢……！」

それに向かいの席の女子も加わる。
｢トイレの花子さんが出たんでしょ。ね。Aさん。ひとりでブツブツ話してたでしよ、花子さん、花子さんって。」
前の席の女子も話に参加する
｢こっわー！Aさん、大丈夫？」
｢花子さんー！？そんなのいるわけねーじゃん！しっかりしろよな、生徒会！」

彼の馬鹿みたいな大声がクラス全体に響き渡る。

最悪だ…、最悪だ、最悪だ！
へんなことで目立ちたくない…！
だけど、今日は源先輩に会える。花子さんにも。

それまで頑張って耐えよう。
今日は楽しみがあるんだから。