【地縛少年花子くん】先輩のあなたに【源光】 (ページ3)

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女子トイレの花子さん弐ページ3

｢俺はトイレの花子さん。この学園の七不思議の、7番目。」

｢？？？
え？男子生徒が花子さんやってるの？」

｢………。」

花子さんは約束通り、源先輩とのことを話してくれた。
彼が怪異である自分を見張るためにいつもここ、女子トイレに来ていること。
先輩は境界である女子トイレの掃除を任されている、花子さんの助手である八尋先輩を手伝っていること。

やっぱり源先輩はおかしい人じゃなかった！！
むしろ女子トイレに来ているのはこの霊を見張るためなんて、なんていい人なの！先輩の手伝いまでするなんて凄すぎるよ！

心の中でフラメンコを踊る勢いで感動していた
らまたも花子さんと目が合った。

｢ネー、もしかしてA、少年のこと好きなの？」
｢……！しょ、少年って源先輩のこと？」
｢ウン。」
｢…………そ、そんなに私分かりやすい…？」
｢めちゃめちゃ顔に出てたよ。」

なんたる不覚…！！

｢えー！！その反応、マジなの？
少年いいやつだよ。だけどなんかモテなくてさぁ。」
｢そーだよね！！すっごくいい人なの！
だけど何故か(女子トイレの掃除をするから)女子の好感度が低いのよ！この前だってね…かくかくしかじか」

源先輩のことを同じように思っている人(幽霊？)に初めて会えた嬉しさで言えるだけ言いたいことを言い切ったあとハッと気がついた。

花子さんもポカンとしている。

またもやってしまった…。
私が後悔の渦に飲み込まれていると、

花子さんがニカッと笑った。

｢…A、面白いね！
ホントは俺を呼び出した人じゃないとダメなんだけど…俺を見える人も珍しいし、特別にAの願い、叶えてあげるよ。」

｢え？何それ。お願いなんてあるの？」

｢ああ、人智を超えた願いは代償が必要なんだけどね。
まぁともかく、君の願いは？」

｢｢…好きな人と今すぐ両想いになりたい！」」
花子さんと声が被さる。
｢えっ？」
｢あたりー！」花子さんは嬉しそうだ。

｢相手は？」
｢もちろん源先輩！」
また、花子さんは笑った。

｢な、なんで笑うの!?」
｢いやぁ、前もまったく同じことがあったなと思って。」

｢え？？？」
｢ううん、こっちの話。」

花子さんはよく分からない。だけど、話していると楽しい。トイレにいる変態には変わりないけど、悪い幽霊じゃないような気がする。