社畜の俺が太宰さんに成り代わったら大変なことになった件について【文スト】

第十一話 ページ11

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A「で、電車賃が…ない…」






大量のお菓子を両手に思わず、ガックシとその場に座り込んでしまう俺。






江「んー、困ったねー」






アンタのせいだけどな。




そう言いたい気持ちを必死に堪える。




それに…






この人には色々教えてもらったから。




俺がこの世界の太宰さんという人と成り代わってしまったこと。




多分、俺の身体にはその太宰さんが居るということ。




そして…




─── まだ、戻られる方法が見つかっていないと言うこと。






あのハゲ上司はどうだっていい。




寧ろ、会えなくてせいせいしている。けど…






部下には会いたいな…






『先輩…！！』






家族は生まれてすぐに他界、他と違う俺はあまり学校に馴染めなかった。




初めて、人と仲良くなれて、上下関係があってもそれは嬉しかった。






江「あれ？なんで君…泣いてるの？」






A「ﾊﾊｯ…あれ？おかしいな…ｱﾊﾊｯ…」






江戸川さんに言われ、作り笑いをしながら、溢れる涙を必死に拭う。




けど、その手は途中で江戸川さんに止められてしまった。






江「あんまり強く拭いすぎると目が腫れる」






A「は、はぃ…」






ごもっとも、ですね…

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