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REO side
『 玲於くん、もう … 大丈夫だよ 』
Aちゃんにそう言われ、浴室から出る
臣さんもう帰ったんだ … 良かった 案外すぐ帰ってくれて
鉢合わせたりしたら どうなる事か …
考えただけでも背筋が凍る
「 … どした?」
『 ううん、ちょっと … びっくりしちゃったね 』
玄関の方を見つめて、ぼーっとしてる彼女
ちょっと目が赤くて潤んでる
もしかして … 泣いた?
臣さんとのやりとり、ちょっとだけ聞こえたけど
俺の事は後輩だって誤魔化せたみたい
それに、お見送りのキスとか いつもしてんだな …
なんて 普段の2人の背景も垣間見えて
ちょっと苦しくなった
「 Aちゃん 、大丈夫。大丈夫だから 」
『 … 私、さっきね?臣が早く帰らないかなぁって
キスするのも、なんか抵抗あってね?』
「 うん?」
『 可笑しいな … あんなに好きだったのに、』
ぎゅ、と抱き締めれば 俺の服を掴んで弱々しく呟く
それって、臣さんの事忘れられてる … って事?
ちゃんと … 俺が忘れさせてあげてるのかな
『 … 私、今玲於くんが1番好きだよ 』
「 2番目じゃなくて?」
『 うん、玲於くんが1番すき … 』
胸が躍るような言葉をくれるAちゃんだけど
臣さんの事が心に引っかかってるんだろうな
… 哀しそうに無理して笑ってるの
俺、確かにAちゃんの笑顔が好きだけど
無理して笑ってるのは 見たくないよ
「 … 俺、筋トレしてるからさ。Aちゃんお風呂入っておいでよ 」
『 うん、そうする 』
「 ゆっくり、汗も涙も流しておいで?」
『 … ふふ、私は大丈夫だよ?』
“ 玲於くんは心配性なんだから ”
強がってそう言う彼女の言葉を遮るように
俺は唇を重ねて またぎゅっと抱き締めた
もう、強がらなくていいんだよ
まだ臣さんの事 忘れられなくても良いからさ
「 俺はどんなAちゃんも好きだよ 」
『 なぁに 、急に 』
「 だからさ … もう無理しないで?
俺の前では素直でいてよ。嘘は無し 、ね?」
なんて綺麗事言ってるけど
俺たちの関係こそ 沢山の嘘で守られてる
『 … ありがとう、じゃあ行ってくる 』
「 ん、待ってるね 」
バスルームへと消えてゆく彼女を見送り
俺はただ “ さっぱりしたー ” っていつもの笑顔で戻ってくるのを待つ間
浴室から時折聞こえる 泣いてる声も
今はそっと だた見守ることにした
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中務れおあらん - さのまるさん» 一番いい判断だァッ!人間として見本になる判断ですね♪尊敬します! (2018年3月24日 1時) (レス) id: 01c710fdcc (このIDを非表示/違反報告)
えびちゃん(プロフ) - さのまるさん» 何が起こってるのか作者的にはハテナ??です(笑)でもありがとうございます!嬉しいです(^_^)v そう言って頂ける方の為にもこれからも頑張りますっ! (2018年3月7日 0時) (レス) id: 88c81ce664 (このIDを非表示/違反報告)
さのまる - コメント欄に書くことじゃないですよね…笑 へんなコメントなど気にせず、大変だと思いますがこれからも更新頑張ってください!応援してます! (2018年3月7日 0時) (レス) id: e2eb0f7e46 (このIDを非表示/違反報告)
あいこ - 名前変えて二回も言わなくても大丈夫です。読んでみます。 (2018年3月6日 23時) (レス) id: 6ad83d3193 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑 - あいこさん» 続編までちゃんと全部読みましたか? (2018年3月4日 16時) (レス) id: 72fad80a8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えびちゃん | 作成日時:2018年2月3日 17時