U w a k i - 浮気 - Reo . S

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REO side






Aちゃんは眉毛を下げて 困ったように笑う

自分でも、なんでそんな事を言ってしまったのかとびっくりしてる。

やっぱり酒の力って怖いな





『 冗談、だよね？』


「 俺は、本気だけど？」





まだ数回しか会ってないのに
こんな事言ったら 困らせるだけかも知れないけど

俺はAちゃんが好き

出来る事ならもっと普通に出逢いたかったけど





『 佐野くん、酔ってるんでしょ 』


「 まだ一杯しか飲んでないし、酔ってないよ 」


『 でも私、臣と付き合ってるんだよ？』






そんなこと、出逢った時から知ってるよ

白くて綺麗な首筋に
嫌という程わかる 赤黒い痕を見つけて

俺の心はまたチクリと痛む

そんなに見せつけないでよ、臣さんとの愛の証






「 知っててそう言ってるんだけど 」


『 や … 駄目だよ、そんなの 』




Aちゃんだって、相手に彼女がいても
諦められなかったんだよね？

だから … 俺も

奪っちゃってもいい？


臣さんから、略奪してもいい？







「 駄目なことしてるのは、臣さんも同じでしょ 」


『 そ、だけど … 』


「 俺今、Aちゃんと同じ事しようとしてる 」


『 佐野くん、わたし … 』






待ってよ、Aちゃん

俺まだ告白してないのに、フラれたくないよ







「 臣さんの事、好きでもいいから … 俺のこと利用していいから 」


『 でも … 』


「 でもじゃない、」






そっとAちゃんの手を握ったら思ったよりあったかくて

ほっぺたも赤くなってるように見えた

それはお酒のせいなの？それとも、俺のせい？






「 Aちゃんの辛そうな顔、もう見たくない 」


『 佐野くん … 』






マスターに2人分のお会計して、Aちゃんの手を取った俺は

そのままタクシーを拾って俺の家へと向かった

Aちゃんは何も言わずに、ただ俺の手をぎゅっと握り返した


これからどうなるかが、分かってるのかな







「 Aちゃん、やっぱ … 帰る？」


『 … ううん、大丈夫 』


「 嫌ならちゃんと断っていいから 」


『 イヤじゃないよ、佐野くんなら … 』







やっぱ今日、Aちゃん帰すのやーめた

だって今 俺の隣で可愛い顔して俺のこと見つめてんの。手はぎゅっと握ったままで

あぁ、このワザで臣さんを誘惑したのかと思うと

ちょっと負けた気がするけど






今俺は、危険な橋を渡ろうとしている






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