U w a k i - 浮気 - Reo . S

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REO side






『 初めまして、Aです 』




そう言って可憐に微笑んだ彼女は

まるで今日、俺たちは初めて言葉を交わしたかのように振る舞った




「 初めまして、佐野玲於です。」




だから俺も、彼女に合わせて振る舞った

あのパーティーの夜の事は2人の秘密
今度の木曜に 2人で逢うことだって勿論

誰も知らない





広臣「 あれ、この前会ったの亜嵐だけ？」


『 うん、あと数 … 原さん？には声掛けられたよ 』


広臣「 え、何て？」


『 一緒にお酒どうですか、って … 」



隼「 いや、ごめんなさい。ウチのが臣さんの彼女と知らずにナンパしてたみたいで！」





龍友くんらしいな。ちょっと綺麗な人見かけるとすぐに声掛けてさ

その行動力、ほんとに羨ましいよ


相手が誰とか、どんな人とか

彼氏が居るとか居ないとか 考えずにナンパだよ？



まじすげえ、って思う(笑)





広臣「 え、まじで？」


『 臣が居るからって断ったら、凄い焦ってた 』


広臣「 ふは、そうなんだ 」






* * *





まさか、こんな早く2人に遭遇するなんて思わなかったな …


臣さん、余裕のある顔してた

龍友くんにナンパされかけた話聞いても

“ 俺のAは可愛いから仕方ない ” みたいな。
自信っていうのかな、すごく堂々としてた



敵わないな、やっぱ

付き合ってるって そういう事だもん



2人の愛が約束されてるから

そんな余裕でいられるんだ






隼「 俺、ヒレカツ定食で！玲於は？」

「 … からあげ定食！」




隼の行きつけの定食屋さんの個室で2人注文して

ちょうど腹減ったなーって時に切り出した隼




隼「 … あのさ、玲於 」

「 ん、なに 」


隼「 臣さんの彼女と、なんかあった？」


「 … え？」





隼「 だってこの前、事務所で逢ってたよね？

何でさっき初めましてなんて言ったのかなって … 」





Aちゃんが、ハンカチを返しに来てくれたあの時、隼はたまたま見てたらしい





「 … あぁ、あれね 」


隼「 貸してる物ある、とか言ってたじゃん 」


「 うん、それ返して貰ってたの 」





隼はこういう時、鋭いところを突いてくる

長年一緒にやってきたから ってのもあるけど
隼の観察眼は優れてるから

日頃からメンバーの変化にもよく気がつく





隼「 玲於の恋の相手、ってさ … まさか 」


「 … 隼、」


隼「 いや、流石に違うよね？」




俺は何て応えれば良い？

きっと … 隼には全部、お見通しだね






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