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朝比奈「おはようございまーす…え！？」
楽屋入りしたAは、目の前の俺らを見て固まる。
俺がめめの服を掴んで詰め寄っている所だったから。
見方によっては、胸ぐらの掴み合いの喧嘩に見えるかも。
朝比奈「ちょ、ラウ！やめなさい！」
俺「え？いや、」
迷いなく俺らの間に入って引き剥がすと、めめの服を整える。
そして俺の方を振り返って、
朝比奈「謝りなよ」
そう怒った顔で言うAに、俺も少しカチンときた。
俺「はあ？何で？」
朝比奈「めめが悪い事するはずないじゃん」
俺「何で俺が悪い事になるの？めめも何か言って…」
めめの方を見ると、庇ってもらえたのが嬉しかったのか、締まりのない顔でAを見てた。
くそ、懐柔されてやがる！！
朝比奈「大体、何で最近私の事避けるのよ！」
俺「は？避けてないし！」
朝比奈「避けてるよ！いつもだったら学校も、靴箱で私の事待ってるじゃん！」
俺「ま、」
そんな事バラすなよ！
周りの生温かい目が突き刺さる。
恥ずか死。
朝比奈「意味もなく避けられるこっちの身にもなってよ！」
俺「い、意味はあるし！」
朝比奈「え？…私何かした？」
さっきまでの勢いが消え失せ、急に不安な顔になるA。
最近気付いたけど、俺はこの顔に弱い。
俺「や、ちがっ、何もしてないよっ」
渡辺「チューして仲直りしちゃえば〜？」
岩本「翔太」
完全に面白がってる翔太くんに茶々を入れられる。
岩本くん、もっと怒っといて！
深澤「まあまあ。一回しちゃえば、何回しても、」
岩本「ふっか」
同じなわけあるか！！
ふっかさんは岩本くんにシメられればいいと思う。
朝比奈「…もしかして、キスシーンが原因？」
目黒「ラウのファーストキスだったからね」
俺「もう！めめ！いい加減にして！」
ハッとしたように顔を上げるAに、めめが笑顔で告げ口する。
そんなに俺がファーストキスを終えた事が嬉しいか。
もうどうにでもなれと開き直ろうか。
そんな事を考えていると。
朝比奈「実は私もファーストキスだったんだよね」
俺「え？」
突然の告白に、空気が変わる。
朝比奈「…いっしょだね」
恥ずかしそうにはにかむAの笑顔に、全身が真っ赤になった気がする。
ついでに、俺らのピュアさに当てられたおじさん達は、何人か倒れてた。
本当、Aには敵わない。
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作者名：うさみ
| 作成日時：2023年7月19日 19時
