違和感@桃 ページ37
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佐久間 side
俺「A、大丈夫か？」
朝比奈「え？」
サマパラ最終日。
昼公演を終え、夜公演までの束の間の空き時間。
楽屋ではなく、廊下の椅子に座りボーッとするAの横に腰掛ける。
Aは俺の問い掛けにきょとん顔。
俺「アンコールの曲、出てくるの遅れただろ」
朝比奈「あ、靴脱げちゃって」
俺「あと、MC集中してなかったしな」
朝比奈「それは…」
俺「俺には言えない、悩み事？」
カメラの前やステージに立つと、いつものAとは違う、『Snow Manの朝比奈A』になるA。
そういう所は歳とか関係なく素直に尊敬してる。
だから、今日、いや最近のAはちょっと変だ。
朝比奈「…師匠には敵わないな」
Aは観念したように少し笑って。
朝比奈「生理です」
俺「あぁ、そう。せい…ごめん」
そうだ、女の子には生理があるの忘れてた。
朝比奈「すいません。貧血で、ちょっとぼーっとしてたかもしれません」
俺「いや、俺に何かできる事あったら言ってね」
朝比奈「あ、じゃあ…」
Aは俺の目をジッと見つめて。
朝比奈「応援してください」
俺「え？何の？」
予想外の返答に今度はこっちがきょとんとなる。
朝比奈「お前なら出来る！とか」
俺「あ、え？そういう…」
よく分からないけど、また緊張で自信無くしちゃったのかな？
なんて呑気に思った俺は、姿勢を正して。
俺「Aなら出来る！何たって、俺の弟子だからな！」
そう力強く言って、背中を叩く。
加減したのに、痛いです！なんて大袈裟に痛がってみせるA。
本当に何だって出来るんだよ、Aなら。
立ち上がってAの頭をわしゃわしゃと撫でて。
俺「Aは考え過ぎな所あるからな〜。何も考えずに、楽しむだけでいいんじゃない？」
朝比奈「…はい。ラストは全力で楽しみます！」
俺「うん、俺も！」
ボサボサになった頭で、笑顔を見せてくれるA。
そんな彼女に手を差し出し、立ち上がらせる。
俺もだけど、Aもメンバーといる時は楽しそう。
少しでも、不安や緊張を忘れられるように、今はメンバーと過ごすのが得策だと思う。
最後の夜公演。
宣言通り今までで一番、純粋にダンスや歌を楽しんでるように見えたAは、キラキラしてて眩しかった。
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作者名：うさみ
| 作成日時：2023年7月8日 14時
