86 ページ40
七海side
ーーー
ーー
ー
目の前の女性は一体誰なんだ…
１級呪霊の攻撃を受けながら、余裕そうに振り返り私たちを見ていた。
「意識はっきりしてる？」
灰「は、はいｯ！」
『あ、なたは…』
「意識があるなら良し。
私の説明は後でしてあげるから、今は走りなさい。
呪霊の動きを止めるから、此処から西の方へ向かって。
すぐに追いかける。」
『ですがっ』
「深手を負った２人を庇いながらなんて、私には無理。足手纏い。
…走りなさい！！」
灰「行こう七海ｯ！」
灰原が私の腕を肩に回し、引きずるように運ぶ。
フラつく足取りで、灰原に付いて行った。
ーーー
ーー
ー
『ﾊｧﾊｧ…ｯ』
灰「ﾊｯ…ﾊｧｯ…ｯ」
お互いに庇いながら、走るも限界が来た。
地面に倒れ込む。
灰原も出血が酷い。
…先ほどの女性は大丈夫なのだろうか。
走れと言われたが、重傷者が走れる距離なんて、たかが知れている。
『灰原っ、もっと離れますよ…っ』
灰「う、んｯ…分かってるけどｯ」
「…ーお待たせ」
すたっ…と頭上から、先程の女性が飛び降りてきた。
見るからに無傷だが…
「今、呪霊は一時的に動きを止めているけど、いずれはこっちに来る」
『…貴女は誰ですか？』
「京都校３年、水神 A」
灰「水神さんって、夏油さんたちがよく話してる、あの人…？」
「…もう少し先に行くと補助監督が居るはず」
『いえ、私たちは２人でー…』
「私が手配した。
そこまで頑張りなさい。
私の事は気にしないで…と言いたいところだけど、違う補助監督も出来れば呼んでおいて欲しい。
絶対祓うけど、きっと私も深手を負うと思う。
だから、回収人員が欲しい」
『分かりました』
「聞き分けがよくて良かった」
水神さんは灰原に触れると、出血していた部分の流血が止まり、そして瘡蓋になっていった。
反転術式…とは、また違った術式なのか。
自分にも触れると、灰原と同様に出血が止まった。
「これは簡易的な処置だから、早くちゃんとした処置を受けるように」
灰「すごい…」
「２人とも生き残る事だけを考えて」
『はい』
灰「はいっ！」
「よろしい」
彼女はニコッと笑うと、呪霊の方へと走り出してしまった。
…生き残る…
彼女の言葉にグッと力が籠もり、立ち上がった。
灰原を支えて、補助監督が待つ場所へと向かう。
…どうか無事に再び彼女に会えることを願って。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2835人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪椿(プロフ) - えねごりさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2021年12月26日 20時) (
レス) id: e95a52c7d4 (このIDを非表示/違反報告)
えねごり - 続きがすっごく気になります！！！更新無理せず頑張ってください！！！ (2021年12月26日 10時) (レス) @page50 id: 48217851a7 (このIDを非表示/違反報告)
雪椿(プロフ) - ゆずさん» ありがとうございます(*^^*) １度目と違った五条をお届け出来て良かったです！一応、違うんだぞーってのを意識してますので、伝わって良かった(/ω＼) (2021年12月21日 19時) (レス) id: e95a52c7d4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - ２度目の人生も毎回楽しみにして読んでます(*´꒳`*)五条先生のキャラが１度目の人生とはまた違って新鮮です！いつも素晴らしい作品ありがとうございます｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡ (2021年12月20日 23時) (レス) @page41 id: 89d33d75be (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり - ありがとうございます！！(●´ω`●)楽しみにしてます♪( ◜ω◝و(و " (2021年12月11日 19時) (レス) @page26 id: f9eedc0803 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪椿
| 作成日時：2021年11月22日 19時
