【◇】群 青 エ ー ス . 5

245 ページ48

.









A「うっ……気持ち悪い…」








バスの中で下ばっか見てたA。

顔色は真っ青。








純「おいおい雛瀬、バスん中で吐くのだけはマジでやめろよ、お前が死ぬぞ」





A「た、耐えます、神宮球場まで……」








散々下を向いて文字打っていれば

そうなってしまうわけで。

Aは自分で自分が酔いやすいことを忘れていた。







哲「沢村、雛瀬が本気で危ない時は…」




栄純「はい…！！」




哲「手で、受け止めるんだ」









まさかの手で受け止めろ。


いや、受け取るの…球だけでいいよ。


高校球児が手で受け止めるのは球だけでいいよ。

しかも割と本気で言ってる。


流石の栄純も固まってるし。









亮介「みんなー窓開ける練習しときな、雛瀬が雛瀬出すから」





A「亮介さん！！」








亮介なりの体調確認的なやつだろう。


これに言い返すことが出来たらまだ大丈夫。


言い返せなかったら監督に言ってその辺のコンビニに止めてもらう。









降谷「僕が手で受け止めます、逃しません…！」



春市「いやいやいや、ダメだよ降谷くんは仮に良くてもAちゃんが死んじゃうよ」









降谷はなんかなんの事言ってんのか絶対理解出来てないし。









純「哲、流石にお前それはねぇ…雛瀬が泣くぞ」


哲「冗談だ」


栄純「冗談キツイっす」









こんなことしてる間にも

Aはどんどん青ざめてくし

亮介の言った通りみんなほんとに窓の開け閉めやってるし。

もう初日からとんでもない事に。









春市「Aちゃん大丈夫？これ、ゴミ袋で使おうとしてたんだけど…念の為持ってた方がいいよ」




A「神様………」





春市「Aちゃんはマネージャーだし…それに降谷くんをサポートする役目あるから」





A「あ、そうでした…」








夏に弱い降谷の面倒を見るのはAの役目らしく。


ちなみに今は車内の冷房が効いてるので超元気。








A「とりあえず寝たら良くなると思うので寝ます…」




亮介「純ー、雛瀬寝たら起きない程度に連写して送って」



純「おう」



A「寝かせる気ないですよね先輩たち」








なんかAのいじられがすごい気がする。

Aはもう前向きにこれは自分愛されてる、と思うことにした。

246→←244

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す