【◇】群 青 エ ー ス . 5

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要らぬ収穫をしてしまったと落ち込んでいたAだったが


その気持ちは1人の男の一言で吹き飛んだ









哲「おはよう雛瀬、今日はよろしく頼む」





A「哲先輩！！お、おは、おはようございます！！」







いつも部活前に見かける制服姿ではなく

背番号を背負ったユニフォーム姿の哲の

おはよう、そしてよろしく頼む

という言葉でAは5号室で見つけたそれ系の本のことは吹っ飛んだ。









哲「その髪、今日も亮介にやってもらったのか？」



A「はい！！」



亮介「忙しいのに、ほんと感謝してよね」



A「ありがとうございます、亮介さん」








そして相変わらず髪は亮介に頼んだ。

春市という弟がいたからかやはり面倒みがいい。

世話がやける妹、みたいな間柄だろう。









純「雛瀬、そのクマはどうした」



A「これですか？」







Aのカバンにやや適当に突っ込まれてたクマ。

クマを取りだした瞬間その場にいた部員たちがおおー！と感心した。








A「徹夜して作ったぬいぐるみ専用青道ユニフォームです！」









クマのぬいぐるみは本物そっくりのユニフォームとズボン、靴を履いていた。









亮介「へー、髪の毛結うことできないのに裁縫は得意なんだ」


A「うっ…そうなんですよね、そこ不思議なんですよ」






完成度が結構高い。








純「一丁前に背番号は哲の3番かよ」


A「今日は哲さんの番号です！ちょくちょく変えますよ！」

純「ちょくちょくってことは他の番号もあんのかよ」


A「スタメン20人分しっかりありますよ！」









なんか変なとこに時間かけてるなぁ、このマネージャー。

と思ったが

そこがこのマネージャーのいいとこだったりするのだ。









A「丹波先輩のもありますし、純先輩も、亮介さんも、増子さんもあります！」



亮介「ツルピカのカツラはないの？」



A「あー、予算的にちょっと厳しくって…すみません丹波先輩」


丹波「いや…それは必要ないと思うぞ雛瀬」








ツルピカ頭を被ったクマのぬいぐるみ…

それはそれで見てみたい。








A「あとは白州先輩とかノリ先輩のもありますし」







背番号を1枚1枚めくって見ていると

あの1年生が。

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