【◇】群青エース . 2 (ページ7)

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春市「おはようAちゃん、大丈夫授業中寝ても僕がこっそり起こしてあげるから」

A「ありがとう…神様…」

春市「うん、僕は普通の人間かな」

この2人はクラスでもよく一緒にいる。

席が隣なだけあってAにとって春市は栄純以外の1年生男子だと1番仲がいい存在。

御幸「先輩の俺との扱いの差ね」

A「春市は神様ですよ…お腹すいてお昼足りないと惣菜パンくれるんですよ…」

眠気と格闘しながら

なんだかんだ言いつつ御幸と話すA。

御幸「ははっ、餌付けされてるじゃん」

A「なっ…！！そ、そういうとこです！そういうとこが嫌いなんです！！」

御幸「………」

A「何ですか…言いたいことあるならはっきり言えばいいじゃないですか」

眠い目をかっぴらいて

御幸に反論するA。

そういえば御幸に対してこんなにムキになったのはこれが初めてかもしれない。

御幸「いや、結構子供っぽいとこあるじゃんって思っただけだよ」

小さい子を相手するかのように

ぽん、と頭の上に手を置いて

からかうように笑うこの顔。

A「顔がいいからって女の子の頭軽率に触っちゃダメですよ、訴えます」

御幸「俺が女の子としてみてると思うか？」

A「一言余計なんです」

この人といるとほんと調子狂うし

らしくないことをしてしまうと

うんざりした気持ちがまたひとつ大きく膨らんで

そっぽ向いた。

御幸「すぐ拗ねんなって、ちょっとからかっただけだろ〜？」

A「そのノリが無理です」

御幸「川上？」

A「そのノリじゃないです」

この人はごめんって本当に思ってるのか？

あんなことほかの女子にしたら絶対勘違いする。

相手が私でよかった。

御幸「なぁ、俺の勘違いだったらあれなんだけど」

A「何ですか…中身残念だとかは散々言われてるので勘違いじゃないので安心してください」

御幸「そんなこと言われてんの…？そんな事じゃなくてさ」

この2人の距離感は独特だ。

栄純と御幸のようにどこか壁を感じさせない近い距離でもなく

かといって他の1年と御幸のような誰から見てもわかる先輩と後輩という上下関係でもない。

本当に、不思議な距離感。