[wrwrd]青に溶ける (ページ9)

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仕事が好きとかでは無く、然し脅迫概念でもない。

期待には応えたい。

この幹部を支える補佐として、出来る事はするべきだ。

……之を性分と言うのだと言われると其れ迄だが、裏を返せば、期待も何もない愚にもつかない仕事は御断りだと言う事だ。事実そう言う処がある。

そういう時決まって、怠ける事が常習犯の我が上司の首を締めたい気持ちに駆られるが、寧ろこの様な人が上司だから、仕事にこの様な、自分でも性じゃないと思う様な堅苦しい気持ちで挑めるのだろう、と思う。

本人には口が裂けても云わないが。

「仕事ばっかやと男もできんやろ」

「要りませんよ、ンな面倒な……」

思わず素で答えてしまった。ああしまった、とと思ったが、もう仕方ない。出た言葉は物の様に回収できない。

「えッ、彼氏居らんの？俺、てっきりおると思うとった」

心底意外だと言うように言われてしまった。意外もへったくれもあるか、と思うが、まあ本人の解釈に他人の介入の余地はあるまい。

軍の、まあそうは言わなくとも、中枢の食い込むとなると、まあ基本は男だ。

その事に疑問を持ったり、可笑しいと反対する人権擁護の方もいらっしゃる。男女平等と云う物を掲げて。その事を否定するつもりは擁護されている女性と言う事もありさらさらないが、此の上下配分には合理があるのだ。

結婚したとしても、身重になるのは女性の方だ。つまり、「そう言う事」になると絶対に女性は産休を取らなければならない。そして、同時に、寿退社では無いがそうして第一線を退く人も多い。

中枢はそうではいけない。常に円滑に、水が流れる様に、少しも稼働が停まってはならない。心臓が動きを止めてしまっては、体の末端神経、生命活動まで止まってしまう。そうではいけないのだ。

組織とは感情ではなく、理念を掲げて合理で回って行くものだ。その事に理解がある以上、私個人としては中枢を男性が占めると言う事に大きな異論はない。
問題があるとすれば、その事を理解もせず女は劣っているだとかなんだとかいう頭が回ってない奴等と、女性を理解してないが故に訳の分からない事を言って暴走したりすることがある事位だろう。

閑話休題。
だから女性が中枢に食い込むとなると、『そう言う事』にならないと言う確信があるか、余程優秀なのか、或はそのどちらもかである。

私は恐らく前者の方だ。只其れだけに過ぎない。