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「お、Aちゃんやん」


「お早う御座います。今日は何時もに比べて早くていらっしゃいますね」


カーテンを開け、いつの間にか積んである数枚の書類を手に取っていると、部屋の扉が開き、其処から何時もは寝坊して遅れるかサボって遅れるか、まあどれにしろ遅刻常習犯がこの早朝に来た。


最近は時々起こしに行くことこそあるものの、仕事が詰めて居る事があっての事か、時間ギリギリに来て仕事を始めていたから、まあ珍しい事でも無くなってきていると言えばそうなのかもしれないが、にしても早い。


「や、さあ。昨日女から貰った酒飲んで寝たんやけどさ。滅茶苦茶寝起き良かったんよな」


又お前は女か。通常運転だけども。別に言わないけども。


そうなんですか、と適当に相槌を打ち、何時も通り適当に口を突いて出た褒め言葉で空気を修飾しておく。


「彼女さん、そう言った事に詳しいのですね。凄いです」

「あー、よなあ。ま、一寸鬱陶しいけど」


なら何故適当にとは言え付き合って居るのか……


やっぱり、此処ばかりは__まあ、大抵この人の事なんて理解できているのかと言われたら黙ってしまうんだけど__彼の事を理解できない。
そう言う事もあるんだろうと言う一応の理解はあるが、真の理解と言う意味では相当程遠い事には間違いない。


まあ、此の人と私的な関係になる事は無いだろう。仕事の方向からの評価を心に潜めておくだけで、十分な事だ。少し僭越な事なんだろうが。


「そう言えばAちゃんってさ」

「はい」



「あんまり女友達とかと遊びに行かんかったりするんはさ、もしかして仕事の事だったりするん?」



面食らった。此の人は良く、思いもしない方向から質問を投げかけて来る。


と言うか、気を使って居るのか使って居ないのか判らない。否、使ってくれている事は判って居るのだが。


「はあ……まあ、似たような人間の集まりですから、私の友人。皆割と自由奔放なので、友達引き連れて遊ぶって事自体珍しくて。偶にごくごく少人数で適当に遊んで帰るんですよ。其れでさえ最近は増々レア度増してますが」


まあ、仕事が忙しすぎて〜とか、そう言う理由ばかりではないと言う事だ。まあ責任の一端は仕事にもあるが、其れより更に気ままな友人たちが一挙に集まって興に耽る事自体が珍しい。


「軍人で遊びより鍛錬って子もいますし、一人でふらっと旅に行く子もいますよ」

「欲望と自由の儘やな」


あんたも人の事は言えないがな。

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かなと - 編集画面の関連キーワード入力の下をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年8月20日 18時) (レス) id: fb24f34b5f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:遥彼方 | 作成日時:2019年8月20日 18時

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