[wrwrd]青に溶ける (ページ12)

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とある夕食の食堂にて。

「A＝エルジュを大先生の補佐につけたのは成功やったな」

すうっと紅茶を啜って、そう呟いた。序にか、小さなクッキーをその指で抓んで口の中に放り込む。一つ一つの仕草の上品さが、彼の貴い身分を主張している。

「直ぐオチるやろって思うとったんやけど、見事なほどやもんな」

はは、と、小気味の良い笑い方で笑う。口には煙草が加えられている。

コネシマ。
健康的な肌、短髪に切り込んだ金髪、奇麗な顔立ち。水色の瞳は青空を閉じ込めた様な色をしている。然しその格好故か、何処か少年的な雰囲気が拭えない。

「俺ら全員賭け負けたもんな。グルッペンの一人勝ち」

カップをソーサーに置いて、不敵な微笑を口元に浮かべた。

グルッペン＝フューラー。
金髪の美しい髪をハーフで上げ、陶器のように白くきめ細やかな肌。端正に神が造り上げた様な美貌。其の顔に埋め込まれた紅の双眸は人間離れした彼の能力を象徴する様だ。
圧倒的カリスマ性を持ち、文武両道・才色兼備の、この国の絶対指導者・総統である。

「あの時直接彼女と話したのは俺だけだからな、しょうがない」

要職に就くとなると、基本的に総統が直接面接をする。その鋭い『眼』で、人を見定める為だ。そしてその『眼』のアタリが外れた事は、一度も無い。

「グルさんの手腕を信じた方が勝ちだったか……」

ちゃっかり賭けに参加して居た＿＿まあ、幹部全員が乗り気で掛けたのだが＿＿書記長・トントンはガジガジと頭を掻く。

「大先生、態々落としにかかったのに、吃驚するほど何の反応も無かったよな」

愉しそうにけらけらと笑っている。何処か無邪気だ。

ゾム。
明るい茶髪が時折見え隠れする。フードを深く被って、口元意外に表情の判断の術はない。ごく偶に覗くライトグリーンの眸は、無邪気な狂気を隠している。

「唯単に大先生が好みちゃうかったとかじゃないん？」

「バッカ御前。之やからDTは解ってへん」

「今それ何も関係ないやろ！」

煙草を吸いながら反論する鬱先生に机を叩き抗議する。

ロボロ。
柔い茶髪に、ごく偶に覗く桃色の眼。前の見えているかどうか判らない、『天』と書かれた紙を紐で括りつけ顔も良く見えないが、其の声色で表情は見ずとも判る。

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何かよく解んないけど幹部の紹介？していきます。多分役職の内容は話の中に影響しないと思うので、ふわっと任意と言う事にしておきますー